通常国会がきょう召集される。今年は夏に参院選があり、永田町では衆院との同日選の可能性も取り沙汰される。折しも選挙権年齢は参院選から18歳以上に引き下げられる。何を基準に投票すればよいのか。政治に不慣れな有権者にもわかりやすい選択肢を提示する国会論戦にしなければならない。
4日に会期が始まるのは、通常国会が1月召集になった1992年以降で最も早い。昨年は秋の臨時国会が10年ぶりに開かれなかった。その分も含めた濃密な審議を期待したい。おとそ気分のピンぼけスタートでは困る。
わざわざクギを刺すのは、気をつけないと無風のまま、この国会は終わってしまいかねないからだ。会期は6月1日までである。5月下旬に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)があることを考えると、法案審議に充てる時間はあまりない。
政府は新規提出法案を環太平洋経済連携協定(TPP)の国内対策関連法案など少なめにする方針だ。選挙に影響を与えそうな課題も先送りし、国論を二分して成立した安保法に基づく国連平和維持活動(PKO)での駆け付け警護などは当面、行わない。
与党が安全運転を心がける中で議論を盛り上げるには野党のよほどの踏ん張りが必要だが、心もとない。民主党と維新の党は昨年末に衆院で統一会派を組んだ。だが、参院選までに合流してひとつの党になるかどうかは未定だ。対等合併か吸収合併かで話し合いがつかないからだ。
合流への手続き論争などは有権者にはどうでもよいことだ。民主党内だけでも意見に幅がある安保政策をどう一本化するのか。そうした指摘に真摯に向き合うことの方がはるかに大事だ。
夏の参院選で自民党が3年前の前回選と同じ65議席を獲得すると、改憲勢力が衆参両院で国民投票の発議に必要な3分の2の多数を占める可能性が高い。
戦後政治の分岐点となるかもしれない選挙を、与野党が明確な対立軸を示せないまま迎えてよいのか。改憲勢力にとっても有権者が納得感を得られない形で多数を得ることは不本意だろう。
いま重要なのは政治の土俵づくりである。どうすれば経済の持続的成長力を高め、平和で安全な暮らしを享受できるのか。その場かぎりの人気取りでない政策で争う二大政党体制を育てたい。
4日に会期が始まるのは、通常国会が1月召集になった1992年以降で最も早い。昨年は秋の臨時国会が10年ぶりに開かれなかった。その分も含めた濃密な審議を期待したい。おとそ気分のピンぼけスタートでは困る。
わざわざクギを刺すのは、気をつけないと無風のまま、この国会は終わってしまいかねないからだ。会期は6月1日までである。5月下旬に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)があることを考えると、法案審議に充てる時間はあまりない。
政府は新規提出法案を環太平洋経済連携協定(TPP)の国内対策関連法案など少なめにする方針だ。選挙に影響を与えそうな課題も先送りし、国論を二分して成立した安保法に基づく国連平和維持活動(PKO)での駆け付け警護などは当面、行わない。
与党が安全運転を心がける中で議論を盛り上げるには野党のよほどの踏ん張りが必要だが、心もとない。民主党と維新の党は昨年末に衆院で統一会派を組んだ。だが、参院選までに合流してひとつの党になるかどうかは未定だ。対等合併か吸収合併かで話し合いがつかないからだ。
合流への手続き論争などは有権者にはどうでもよいことだ。民主党内だけでも意見に幅がある安保政策をどう一本化するのか。そうした指摘に真摯に向き合うことの方がはるかに大事だ。
夏の参院選で自民党が3年前の前回選と同じ65議席を獲得すると、改憲勢力が衆参両院で国民投票の発議に必要な3分の2の多数を占める可能性が高い。
戦後政治の分岐点となるかもしれない選挙を、与野党が明確な対立軸を示せないまま迎えてよいのか。改憲勢力にとっても有権者が納得感を得られない形で多数を得ることは不本意だろう。
いま重要なのは政治の土俵づくりである。どうすれば経済の持続的成長力を高め、平和で安全な暮らしを享受できるのか。その場かぎりの人気取りでない政策で争う二大政党体制を育てたい。