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[産経新聞] 【主張】「成人」121万人の20歳に 磨きのかかった「大人」を目指せ (2016年01月11日)

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「成人の日」を迎えた20歳の皆さん、おめでとう。大人の仲間入りをした意味をしっかりと自覚し、確かな人生を歩んでいくよう祈りたい。

1月1日時点での20歳は121万人だ。生まれたのは阪神・淡路大震災の起きた平成7年である。母親のおなかの中で大きな揺れに見舞われた人も少なくなかろう。震災直後の混乱のさなかに産声をあげた人もいるに違いない。

新成人の皆さんにはまず、これまでの成長を支えてくれた両親や家族、周りの人たちへの感謝の思いを新たにしてほしい。それが大人への第一歩となるはずだ。

何をもって大人とするかについては、さまざまな意見がある。6月には選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、それに伴って民法上の成年年齢も18歳にすべきかの検討がなされている。大人の要件が見えにくい時代になったといえるかもしれない。

それでも確実に指摘できることは、法律上の規定はともかく、大人かどうかの区別は必ずしも年齢だけで決めるものではないということだ。社会のルールや礼儀をわきまえ、自らの意思で行動し、その行動に自ら責任を負う覚悟がなければ、たとえ20歳であっても一人前の大人とは認めがたい。

皆さんの中には、酒が飲めるようになったと喜んでいる人もいるだろう。が、酒を飲んで周りに迷惑をかけたりするようでは大人としての自覚が疑われる。飲酒運転に至っては、もちろん論外だ。

悲しいかな手本となるべき先輩たちの中にも、年齢的にはとっくに大人になっていながら精神的にはなり切れていない者が多く、飲酒による事故も後を絶たない。このような恥ずかしい大人には絶対になってもらいたくない。

平成7年はパソコンの基本ソフト、ウィンドウズ95が発売された年でもあり、新成人はこの20年をIT機器やインターネットの普及とともに歩んできた。

コンピューターは生活を便利にする一方で、人間関係を希薄化する一因になったともいわれる。

そこで皆さんには、さらなる望みを託したい。周りの人たちと心の通ったコミュニケーションを保ち、人の痛みを理解し、人を助けたいと思えるような大人になってほしい、と。俗な言い方をすれば、磨きのかかった大人をめざしてほしいのである。

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