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[産経新聞] 【主張】衆院選挙改革 あまりの遅さにあきれる (2016年01月20日)

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改革案が昨年末に出ているのに、まだぐずぐずしているのか。実質的な与野党協議は来月下旬からだという。

大島理森衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」が、衆院定数の格差是正や削減幅に関し改革案を各党に説明した。

都道府県の定数配分では、現行制度より人口比を反映できるアダムズ方式を採用し、定数については、選挙区と比例代表で計10削減する。

民主主義の土俵となる選挙制度が最高裁から疑義を突きつけられている。改革は急務なのに、合意の見通しは立っていない。

大島議長が、今国会で改革を実現するよう与野党に求めているのは当然だ。ならば、早急に協議に入るべきだ。

議論を足踏みさせる最大の障害となっているのは自民党だ。議席減の対象県には所属議員が多く、党勢に響く懸念があるのだという。党利党略ではないのか。

党内には、現行配分の選挙区割りで調整できるとして、来月発表される国勢調査人口の速報値で対案を出そうという動きがある。

谷垣禎一幹事長は、「それを視野に入れないと、なかなか具体的な案に進まないのではないか」と述べた。時間稼ぎと取られてもやむを得ない。

自民党を除く大半の政党は、答申を尊重する立場だ。自民党が、あまりにかけ離れた対応を取れば合意形成はおぼつかない。

安倍晋三首相は参院予算委員会で、「各党・各会派がしっかり受け止め、改革の実現に向けて真摯(しんし)に議論を行い、早急に結論を得るべきだ」と述べた。

最大与党の総裁として、首相自身が指導力を発揮すべきだ。

最高裁は直近3回の衆院選について「違憲状態」との判断を示した。国会が主体的に取り組むよう期待したからだ。だが、放置すれば無効判決もあり得る。

改革案は、現行制度の存続を前提とした弥縫(びほう)策にすぎない。

夏には参院選を控え、今国会の大幅延長は望めない。この程度の改革を自主的に実現できなければ、国民の政治不信は増幅するばかりだ。

国会は中長期的な視野で、衆参両院のあり方を踏まえた選挙制度の抜本改革に道筋をつける責務も負っている。あわせて議論を深めてゆくべきだ。

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