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[読売新聞] 対「北」独自制裁 厳格な安保理決議の先駆けに (2016年02月11日)

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度重なる北朝鮮の暴挙を看過せず、厳しい制裁措置を迅速に発動することが重要である。国際社会の一致した取り組みを日本が主導したい。

政府は、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を開き、北朝鮮に対する独自制裁を復活・強化する方針を決めた。

北朝鮮の核実験と長距離弾道ミサイル発射は、日本にとって直接の脅威である。いち早く厳格な対応を取ったのは当然だ。

北朝鮮に帰国した在日本朝鮮人総連合会幹部の再入国を禁止する。人道目的を含むすべての北朝鮮籍船舶の入港を認めない。いずれも、2014年7月の日本人拉致被害者らの再調査開始時に解除した措置を復活するものだ。

さらに、再入国禁止の対象に核・ミサイル技術者を追加する。北朝鮮向けの送金については、「原則禁止」に踏み込んだ。

北朝鮮は、拉致被害者らの再調査に関し、日本への報告を先送りしている。こうした不誠実な対応を重ねる以上、制裁を復活・強化するのは、「行動対行動」の原則に沿う妥当な判断と言える。

北朝鮮の金正恩政権の行動は、不確実性が高まっている。

外務省や警察庁などが密接に協力し、制裁の実効性を確保しなければならない。一方で、北朝鮮との対話の窓口は閉ざさないなど、柔軟な対応が求められる。

政府は、拉致と核・ミサイル問題を包括的に解決する方針を堅持し、粘り強く対処すべきだ。

無論、日本単独の制裁では、効果が限られる。国際的な対北包囲網の構築を急ぐ必要がある。

韓国は、独自の制裁として南北協力事業「開城工業団地」の操業中断を発表した。外貨収入を減らす狙いがあるが、北朝鮮との対話の窓口を失うリスクも伴う。

安倍首相はオバマ米大統領、韓国の朴槿恵大統領と個別に電話会談した。国連安全保障理事会での制裁決議の早期採択に向けて、連携することで一致した。

安保理決議の採択にとって、最大の障害は中国の消極姿勢だ。

中国は、制裁の対象を核・ミサイル開発に関連するものに限定するよう主張し、国民生活に影響を与える措置には反対している。

だが、こうした長年の融和的な態度が北朝鮮を増長させ、再三の核実験やミサイル発射を許したのではないか。今回こそ、北朝鮮に対する実質的な圧力を強化することが欠かせない。

日米韓は結束し、中国に軌道修正を働きかけることが大切だ。

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