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[日経新聞] 自公政権との対立軸がみえる野党結集を (2016年02月24日)

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競争なきところに進歩は生まれない。政治をよくするには、しっかりした野党が必要である。民主党と維新の党の合流がその一歩となることを期待したい。単に一緒になるだけでは有権者の信頼を得ることはできない。自公連立政権と何が違うのか。政策の対立軸をきちんと示すことが大事である。

両党は(1)維新が解党して所属議員が民主党に入党する(2)民主党は党名を変更する――ことで大筋合意した。吸収合併を主張した民主党と対等合併を求めた維新の双方の顔を立てた形だ。3月に新たな党名で結党大会を開く。

重要なのはそうした手続きではなく、政策の一致である。「政権交代」しか訴えるものがなかった民主党政権が内紛続きで自滅したことは記憶に新しい。日本経済をどう再生させるのかをはじめ、憲法や外交・安全保障など基本政策でずれを抱えたままで二大政党の一翼を担うことはできない。

民主党はもともと党内にさまざまな考えの議員がいる。そこに維新が加わるのだから、よほどしっかり方向性を定めないと、「一皮むけば野合」(自民党の谷垣禎一幹事長)との批判をはね返せまい。今後の合流協議は政策重視で進めてほしい。

かつての自民党は改憲派と護憲派が共存するなど政策の幅が広かった。近年は保守への傾斜を強めており、リベラル寄りの有権者と距離ができている。民・維新党の方向性としては、こうした層の受け皿を目指すのも一案である。

自公政権と違いを出すといっても、対決姿勢にばかりこだわり、非現実的な政策を掲げるのは好ましくない。有権者が本当に知りたいのはきょうあしたの話でなく、長い目でみて日本をどの方向に導こうとしているのかだ。

民・維新党は夏の参院選では共産、社民、生活の各党と選挙協力を進める方針だ。ばらばらで戦っては巨大与党に対抗できないのはその通りだが、ここでも政策のすり合わせは必要である。

過去の野党共闘は政策の食い違いを与党に突かれ、最後は足の引っ張り合いで終わることが多かった。与党内に衆参同日選の待望論があるのは、野党の選挙協力は参院選ではできても、選挙区の数が多い衆院選ではできないとたかをくくっているからだ。

将来の政界再編の芽か、単なる選挙互助会か。有権者がみているのはそこである。

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