「号泣県議」で改めて注目を浴びた地方議会の政務活動費(政活費)は、議員一人一人の活動が行政の向上につながることを期待して取り入れられたはずだ。
国民がそう信じても、その公金をめぐる不正が絶えない。ずさんさが明らかになるごとに、どうしてこんな人物が当選し、議員が務まっているのかとの疑念が生じる。地方政治への信頼を損なう大きな要因でもある。
堺市議会では女性市議の1千万円にのぼる政活費の不適切な支出が明らかになり、市が詐欺罪などで刑事告訴した。市議会は調査特別委員会(百条委員会)を立ち上げたが、女性市議は再三証言を拒否し、真相解明には遠い。
宮城県議会では、不正支出だと問題視された議長に対する議長辞職勧告決議案が出されたが、与党自民党などが否決した。
号泣した兵庫県の元県議の裁判は、被告が出廷を拒んだため身柄を拘束されるという異様な展開をたどった。
議員が無責任かつ無自覚な態度を改めず、各議会による制度の運用改善など自発的な取り組みがなければ、「そもそも、政活費があるから問題が起きる」と有権者が考えてもおかしくない。
国会のおひざ元である東京都千代田区では、政活費の一部を議員報酬に付け替えようとした「お手盛り」案に強い批判が集まり、区長が議案提出を見送った。有権者やマスコミの監視、批判が改悪を阻止したといえるだろう。
全国的な不信の広がりに対し、都道府県の議長会など地方議会の団体などから大きな見直しの声が聞かれないのは、危機感の薄さを示していないか。
政活費は同議長会などによる国への要望を踏まえ、「議員の政策能力を高める」名目で導入された経緯がある。ばつが悪いから沈黙しているなら、無責任すぎる。
見直しにあたっては、何よりも使途に対する監視体制の強化が欠かせない。むろん、減額や廃止などの動きがあってもおかしくないだろう。
政活費が浮上した背景には、今も批判が強い国会議員に対する各種手当の存在もある。国政でも「政治とカネ」をめぐる不祥事が絶えない。それでも政治資金の規正強化に向けた具体的な動きがみられないことは、再び地方に対する悪いお手本になるだろう。
国民がそう信じても、その公金をめぐる不正が絶えない。ずさんさが明らかになるごとに、どうしてこんな人物が当選し、議員が務まっているのかとの疑念が生じる。地方政治への信頼を損なう大きな要因でもある。
堺市議会では女性市議の1千万円にのぼる政活費の不適切な支出が明らかになり、市が詐欺罪などで刑事告訴した。市議会は調査特別委員会(百条委員会)を立ち上げたが、女性市議は再三証言を拒否し、真相解明には遠い。
宮城県議会では、不正支出だと問題視された議長に対する議長辞職勧告決議案が出されたが、与党自民党などが否決した。
号泣した兵庫県の元県議の裁判は、被告が出廷を拒んだため身柄を拘束されるという異様な展開をたどった。
議員が無責任かつ無自覚な態度を改めず、各議会による制度の運用改善など自発的な取り組みがなければ、「そもそも、政活費があるから問題が起きる」と有権者が考えてもおかしくない。
国会のおひざ元である東京都千代田区では、政活費の一部を議員報酬に付け替えようとした「お手盛り」案に強い批判が集まり、区長が議案提出を見送った。有権者やマスコミの監視、批判が改悪を阻止したといえるだろう。
全国的な不信の広がりに対し、都道府県の議長会など地方議会の団体などから大きな見直しの声が聞かれないのは、危機感の薄さを示していないか。
政活費は同議長会などによる国への要望を踏まえ、「議員の政策能力を高める」名目で導入された経緯がある。ばつが悪いから沈黙しているなら、無責任すぎる。
見直しにあたっては、何よりも使途に対する監視体制の強化が欠かせない。むろん、減額や廃止などの動きがあってもおかしくないだろう。
政活費が浮上した背景には、今も批判が強い国会議員に対する各種手当の存在もある。国政でも「政治とカネ」をめぐる不祥事が絶えない。それでも政治資金の規正強化に向けた具体的な動きがみられないことは、再び地方に対する悪いお手本になるだろう。