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[読売新聞] 五輪追加種目 「東京」を盛り上げる決定打に (2015年09月29日)

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五輪で実施する競技を開催都市が選ぶ。新たな試みを、大会の盛り上がりにつなげたい。

2020年東京五輪の組織委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)に提案する追加種目を決めた。来夏のIOC総会で正式決定される。

野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツ(スケートボード)、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目だ。これらの選手にとって、東京五輪の舞台に立てる可能性が高まったことは、大きな励みになるだろう。

追加種目の実施は、IOCが昨年末から進めている五輪改革の目玉の一つだ。開催する国で人気のある競技や、メダル獲得が有望な競技を加えることにより、五輪への関心を高める狙いがある。

背景にあるのは、IOCの危機感である。巨額の財政負担に対する市民の反発などで、五輪招致を断念する都市が相次いでいる。

追加種目が五輪の新たな可能性を引き出せるかどうか、東京五輪が試金石となる。

日本において、野球は国民的スポーツだ。設備の整った球場が多数存在するため、建設コストを削減できる。組織委だけでなく、プロとアマチュア球界が協力し、日本に根付いた野球の魅力をIOCに訴えていく必要がある。

08年北京五輪を最後に、五輪競技から外れた。この際には、米大リーグのトップ選手が、シーズン中であるために出場しないことなどがマイナス材料となった。大リーグ側に可能な限りの協力を求めていく努力も欠かせない。

ソフトボール日本代表の女子選手たちが、北京五輪で金メダルを獲得した際の笑顔は、感動をもたらした。五輪への復帰は、ソフトボール界にとっても悲願だ。

今回、世界野球ソフトボール連盟を新設し、男子の野球と一体となってアピールしてきた戦略が実を結びつつある。

日本発祥の空手は、世界的に競技人口が多いことが強みだ。会場には、既存の日本武道館などを活用できる。ルールの周知などが課題となるだろう。

ローラースポーツ、スポーツクライミング、サーフィンについては、若者に人気の競技を重視するIOCの意向に沿った選考だ。

東京五輪を巡っては、新国立競技場建設計画とエンブレムの白紙撤回で失点が続く。

国民の期待をこれ以上、裏切らぬよう、組織委は最終決定に向けたIOCとの折衝に万全の態勢で臨まねばならない。

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