政府が内外の有識者から世界の経済や金融情勢を聴く「国際金融経済分析会合」を開いている。
安倍晋三首相は5月の主要7カ国(G7)首脳会議で議長を務める。会合はその準備の一環だが、来年4月に予定している10%への消費税増税を再び延期する環境づくりとの見方が出ている。
会合で、スティグリッツ米コロンビア大教授は来年4月の消費増税を見送るよう提言した。増税に慎重とされるクルーグマン米プリンストン大名誉教授も、近く講師として招かれる。
首相は消費増税を見送る条件として「リーマン・ショックのような事態」などに言及してきた。
最近の世界の金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。原油価格にも底入れの兆しがある。ただ、中国など新興国経済の減速は不安材料だ。世界経済の動向に警戒を怠ることはできない。
国内では、足元で個人消費が低迷しているのが気になる。今年の自動車、電機などの主要企業による賃上げ回答も、力強さを欠く結果となった。
雇用情勢の改善が続いているにもかかわらず、なぜ消費に波及しないのか。社会保険料の負担増や、社会保障への将来不安が消費を下押ししている影響は、どの程度あるのか。
増税の是非を判断するうえでも、政府は消費不振の原因をしっかり把握しなくてはならない。
一方で日本は先進国で最悪の財政状態にある。消費税は膨らむ社会保障を支える安定財源で、増税先送りにはリスクもある。
増税実施の場合はその影響を和らげる経済対策を打つ手もある。これらの点を考慮し、経済状況をギリギリまで見極めてから増税の是非を最終判断してほしい。
このところ、経済再生に向けた努力は日銀頼みになっている印象がある。潜在成長率を底上げするための構造改革に、足踏みは許されない。雇用分野の規制改革や外国人材の活用などに、安倍政権は果敢に取り組むべきだ。
安倍晋三首相は5月の主要7カ国(G7)首脳会議で議長を務める。会合はその準備の一環だが、来年4月に予定している10%への消費税増税を再び延期する環境づくりとの見方が出ている。
会合で、スティグリッツ米コロンビア大教授は来年4月の消費増税を見送るよう提言した。増税に慎重とされるクルーグマン米プリンストン大名誉教授も、近く講師として招かれる。
首相は消費増税を見送る条件として「リーマン・ショックのような事態」などに言及してきた。
最近の世界の金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。原油価格にも底入れの兆しがある。ただ、中国など新興国経済の減速は不安材料だ。世界経済の動向に警戒を怠ることはできない。
国内では、足元で個人消費が低迷しているのが気になる。今年の自動車、電機などの主要企業による賃上げ回答も、力強さを欠く結果となった。
雇用情勢の改善が続いているにもかかわらず、なぜ消費に波及しないのか。社会保険料の負担増や、社会保障への将来不安が消費を下押ししている影響は、どの程度あるのか。
増税の是非を判断するうえでも、政府は消費不振の原因をしっかり把握しなくてはならない。
一方で日本は先進国で最悪の財政状態にある。消費税は膨らむ社会保障を支える安定財源で、増税先送りにはリスクもある。
増税実施の場合はその影響を和らげる経済対策を打つ手もある。これらの点を考慮し、経済状況をギリギリまで見極めてから増税の是非を最終判断してほしい。
このところ、経済再生に向けた努力は日銀頼みになっている印象がある。潜在成長率を底上げするための構造改革に、足踏みは許されない。雇用分野の規制改革や外国人材の活用などに、安倍政権は果敢に取り組むべきだ。