熊本県を最大震度7の激しい地震が襲った。熊本市や益城(ましき)町などで多数の建築物が倒壊し、多くの死傷者が出た。日本列島に生きる以上、地震は宿命だが、人命は守っていきたい。
地震の揺れの強さを示すのが震度階で、耐震性の弱い木造住宅は震度6弱で壊れるものがある。震度7は、鉄筋コンクリート造りでも倒れることがある。
震度7は大震災のイメージが強い。マグニチュード(M)6・5の熊本地震が震度7を記録したのは驚きである。
日本列島は活断層で満身創痍(そうい)だ。M6クラスの地震は、どこで起きても不思議ではない。関東平野や濃尾平野といった平野部は揺れやすい。震度6弱どころか、震度7も起こり得ると考えなければならない。
私たちにすぐにできる対策は、家具の転倒防止だ。住宅の耐震性も高めたい。転居や新築の際、地震や豪雨といった自然災害に遭いにくい場所を選ぶことも大事である。自らの命を守れば、人を助ける側にまわることもできる。
政府の地震調査委員会は布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯に注目。長期評価で、今回の地震を起こした日奈久断層帯の北部が活動するとM6・8の地震が起きると予想していた。しかし、発生確率は過去のデータがないから不明だった。
同委員会は見逃されている活断層があるという可能性も含めて、地震発生確率を発表している。九州南部はM6・8以上が三十年以内に7〜18%としていた。地震の規模がやや小さかったが、長期評価はうまくいったようにみえる。
気象庁は夜を徹して情報発信に努めた。それは認めるが、一つ、注文がある。
地震発生後、気象庁は余震への注意を繰り返した。余震は本震よりも小さい。最大余震は震度6弱としたが、安心情報とならなかったか。長期評価では、日奈久断層帯全体が同時に活動してM7・7〜8・0の地震を起こす可能性に触れている。救助活動をしている人らに伝えなくてもよかったのか。検証してほしい。
「空振りは許されるが、見逃しは許されない」。それが東日本大震災で学んだ、命を守るための教訓だったはずだ。
東南海地震、南海地震を起こす南海トラフ地震は、今後三十年の発生確率が70%とされる。首都直下地震も心配されている。地震を「人ごと」ではなく「わがこと」として考えたい。
地震の揺れの強さを示すのが震度階で、耐震性の弱い木造住宅は震度6弱で壊れるものがある。震度7は、鉄筋コンクリート造りでも倒れることがある。
震度7は大震災のイメージが強い。マグニチュード(M)6・5の熊本地震が震度7を記録したのは驚きである。
日本列島は活断層で満身創痍(そうい)だ。M6クラスの地震は、どこで起きても不思議ではない。関東平野や濃尾平野といった平野部は揺れやすい。震度6弱どころか、震度7も起こり得ると考えなければならない。
私たちにすぐにできる対策は、家具の転倒防止だ。住宅の耐震性も高めたい。転居や新築の際、地震や豪雨といった自然災害に遭いにくい場所を選ぶことも大事である。自らの命を守れば、人を助ける側にまわることもできる。
政府の地震調査委員会は布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯に注目。長期評価で、今回の地震を起こした日奈久断層帯の北部が活動するとM6・8の地震が起きると予想していた。しかし、発生確率は過去のデータがないから不明だった。
同委員会は見逃されている活断層があるという可能性も含めて、地震発生確率を発表している。九州南部はM6・8以上が三十年以内に7〜18%としていた。地震の規模がやや小さかったが、長期評価はうまくいったようにみえる。
気象庁は夜を徹して情報発信に努めた。それは認めるが、一つ、注文がある。
地震発生後、気象庁は余震への注意を繰り返した。余震は本震よりも小さい。最大余震は震度6弱としたが、安心情報とならなかったか。長期評価では、日奈久断層帯全体が同時に活動してM7・7〜8・0の地震を起こす可能性に触れている。救助活動をしている人らに伝えなくてもよかったのか。検証してほしい。
「空振りは許されるが、見逃しは許されない」。それが東日本大震災で学んだ、命を守るための教訓だったはずだ。
東南海地震、南海地震を起こす南海トラフ地震は、今後三十年の発生確率が70%とされる。首都直下地震も心配されている。地震を「人ごと」ではなく「わがこと」として考えたい。