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[産経新聞] 【主張】巨人元投手の逮捕 ウミ出し切る覚悟あるか (2016年05月08日)

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プロ野球巨人の元投手らによる野球賭博事件で警視庁組織犯罪対策4課は、元巨人投手、笠原将生容疑者を賭博開帳図利の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕した。賭博の主催者側、胴元側との疑いが強いためだ。客として賭博を行う賭博罪より、罪は重い。

賭博開帳図利容疑で逮捕された元飲食店経営、斉藤聡容疑者を手助けしたとされるもので、巨人で同僚だった元投手らを誘い、ルールを説明し、ハンデを伝達し、賭け金を集めていたとされる。

事件の全容解明は今後、捜査当局の調べを待つことになるが、ウミを出し切る責任は球界にある。日本野球機構(NPB)や巨人にその覚悟をみせてほしい。

笠原容疑者は一昨年4月、名古屋市内の違法カジノ店でバカラ賭博を行ったとして巨人は罰金を科し、厳重注意処分としたが、公表はせず、NPBにも報告しなかった。笠原容疑者はその後も巨人の複数の選手を違法カジノ店に誘い、野球賭博に勧誘した。

一昨年の時点で処分を公表していれば、4投手の解雇という事件の広がりは防げた可能性が高く、笠原容疑者にも立ち直るチャンスはあった。その反省があるか。

巨人の調査によれば、野球賭博に関与したとして解雇した高木京介元投手とともに、別の選手1人も闇スロット店に出入りしていたと申告があり、厳重注意処分とした。だが、「野球協約違反には当たらない」として選手名は公表しなかった。

この論理はおかしい。喫煙を見つかりながら「校則は禁じていない」と居直る中学生のようだ。協約や校則になくても、違法行為は許されない。それが当然のことであるから、協約もわざわざ触れる必要がない。

同じ調査では野球賭博に関与した4人以外に、巨人の8人が斉藤容疑者の経営する飲食店に出入りし、5人が店外でも会い、3人が同容疑者と賭けゴルフを行っていたことが分かっている。

不正の根は絶たれていない。

ゴールデンウイークの各球場では熱戦が繰り広げられ、ファンの歓声がこだました。プロ野球は日本の国民に欠かせぬ大事な娯楽である。だから、気持ちよく応援したい。この選手ももしや、と疑いの目でプレーを見る不幸の連鎖を断ち切ってほしい。NPBや巨人に対する切実な願いだ。

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