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[産経新聞] 【主張】都知事の資金問題 不信拭う説明が足りない (2016年05月14日)

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舛添要一東京都知事が相次いで指摘された政治資金の不適切な支出について会見で説明し、陳謝した。

家族との旅行費や私的な飲食費が支出に含まれていることが問題視されていた。

舛添氏は疑念を招いたとして政治資金収支報告書を訂正し、一部を返金することも表明した。

だが、説明は多くの疑問を残すもので、説得力に欠けていた。

知事職にとどまるというが、都民が抱いた不信は拭えていないことを自覚すべきである。

舛添氏は家族旅行を「会議費」名目にした理由として、千葉県内の宿泊先に事務所関係者らが来て、国政選挙や都知事選の対応を協議したことを挙げた。

あきれた説明だ。公私混同の疑いを持たれかねないと自身も認めたが、家族旅行の費用を政治資金で賄うため、わざわざ宿泊先を会合場所に選んだとも受け取られかねない。

しかも、会合の出席者や人数、どれくらいの時間協議したかは説明で判然としなかった。

この問題に先立ち、舛添氏は高額の海外出張や公用車で他県の別荘に定期的に通っていたことの是非についても指摘されていた。

当初は問題ないと正当化していたが、批判が強まると軌道修正し、反省の言葉を口にした。

不適切な政治資金の支出についても、発覚後に「精査してから」と繰り返し、説明を先延ばししてきた。

家族旅行についての記憶が、だれか第三者に聞けばよみがえるとでもいうのだろうか。

会見で「不徳の致すところであり、心からおわびしたい」と語ったのは当然だとしても、なぜ一連の問題が発覚した時点で、謙虚に反省し、説明を尽くす対応がとれなかったのか。

舛添氏が事態を深刻化させたと言わざるを得まい。自らの危機管理能力について、強い疑いの目を向けられても仕方がない。

前任の知事が、医療グループからの資金受領問題で辞任を余儀なくされ、都政の混乱をはさんで舛添氏は登場した。2020年の東京五輪・パラリンピック開催地の責任者でもある。

都民の生活に責任を負うことはもとより、「政治とカネ」の問題で清廉さが求められていたことを思い出してもらいたい。

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