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[産経新聞] 【主張】ポケモンGO 安全と楽しさの両立図れ (2016年07月23日)

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スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の国内配信が始まった。

米国など35カ国で先行配信されると大人気となり、任天堂の株価は高騰した。半面、交通事故など深刻なトラブルも起きている。

ポケモンは20年前に日本で生まれたゲームキャラクターである。海外の状況を踏まえ、利用者も作り手側も、ゲームとしての楽しさと安全を両立させた「成熟した遊び方」を根付かせることが重要だ。

ポケモンGOは、スマホの位置情報を利用し、プレーヤーが実際に移動することでポケモンを見つけ出し、捕まえたり戦わせたりしていくゲームだ。

架空生物のポケモンが、現実世界に生息しているかのような感覚になれることが、従来のポケモンシリーズとの大きな違いだ。大ヒットの要因にもなっている。

しかし、プレーヤー自身の移動がゲームの要素に組み込まれたことは、「歩きスマホ」に直結してしまう。海外では、ゲームに夢中になった利用者の交通事故や、立ち入り禁止地域への侵入などが相次いだ。

政府は国内配信に先立ち、「歩きながらゲームをしない」「危険な場所に立ち入らない」などの異例の注意喚起を始めた。開発元の米ナイアンティック社も安全に遊ぶためのルールを公表し、周囲への配慮を求めている。

夏休みに入り、小中学生がトラブルを起こしたり、巻き込まれたりする懸念もある。「ゲーム自体を禁止すべきだ」と考える人も少なくないだろう。

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携帯電話やインターネットも、爆発的に普及するときは初期の段階で、社会問題となるような副作用が表れた。

ポケモンGOは、日本での配信開始が欧米より遅れたからこそ、副作用の予防のために的確に対処できるのではないか。

利用規約では「事故やトラブルは利用者の自己責任」となっている。だが、危険な場所にポケモンを「生息させない」などの配慮や改善に取り組むのは、ゲーム開発・運営側の当然の責務である。

子供の頃からポケモンに親しんできた20代、30代が中心の大人の利用者には、安全で周囲に迷惑をかけない遊び方を考え、実践してもらいたい。それが、子供たちを守ることにもなる。

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