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[読売新聞] 熱中症対策 夏本番へ体調管理を万全に (2016年07月24日)

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大暑が過ぎ、これからが夏本番だ。熱中症に十分気を付けたい。

総務省消防庁の速報によると、7月11?17日の1週間に熱中症で救急搬送された人は、3099人に上り、うち3人が死亡した。その前週の搬送者数は、前年同期の3・5倍に達している。

4月27日からの通算の搬送者数も、昨年より約1割多い。西日本から梅雨明けが進む中、体が暑さに慣れていないこの時期は、要注意だ。患者の半数が65歳以上で、多くは自宅で発症している。

熱中症は、汗をかいて水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなることで引き起こされる。めまいや手足のしびれ、頭痛、けいれんなどの症状が出る。意識を失うケースもある。

最も大切なのは、こまめに水分を補給することだ。のどの渇きを感じる前に水や塩分を摂取したい。お年寄りは、温度の変化を感じにくい。扇風機やエアコンを有効に使い、室温が28度を超えないように心がけてほしい。

外出や運動時には、帽子をかぶり、風通しのよい服装にする。体調不良を感じたら、涼しい場所で休息し、水分を補給する。冷たいタオルや保冷剤で頭やわきを冷やすのも効果的だという。

冷房の利いた図書館や公民館、ショッピングセンターなどに出向き、みんなで涼しさを分かち合う「クールシェア」が広まっている。参加施設は、全国で1万2000か所を超える。

地域住民の交流の場となり、省エネにもつながる取り組みだ。さらに拡大させたい。

独り暮らしのお年寄りら、思うように外出できない人には、近隣住民による声がけなど、普段に増しての心配りが欠かせない。

熊本地震の発生から3か月が過ぎた熊本県では、今も4000人近くが避難生活を送る。

夏の熊本は高温多湿だ。熱がこもりやすいテントなどでの寝泊まりは避け、エアコンが設置された避難所に身を寄せたい。被災した家屋の片づけなどは重労働だけに、無理は禁物である。

健康被害を防ぐため、自治体は啓発を強化すべきだ。

地球の平均気温は、一昨年、昨年と連続して観測史上最高を更新し、今年前半もさらに上昇した。日本でも温暖化が顕著だ。政府は昨年11月に閣議決定した気候変動の適応計画で、熱中症を健康に対する脅威と位置付けている。

街全体の緑化推進など、大きな枠組みでの対策も重要である。

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