安全保障関連法案の参院審議が、いよいよ大詰めを迎える。
過去最長の95日間の延長をした通常国会も、27日に閉幕する。会期中に確実に成立させねばならない。
特別委員会での法案採決の前提となる中央公聴会が15日に設定された。与党が来週後半の特別委と本会議の採決・成立を目指すのに対し、民主など野党6党は、法案の成立阻止に向けて「あらゆる手段を講じる」ことで一致した。
民主党などは、安保法案を「違憲」と決めつけている。しかし、この批判は当たらない。
法案は、集団的自衛権の行使の要件を、あくまで日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に厳しく限定した。日本周辺有事における米軍艦船の防護などを想定したものである。
過去の最高裁判決や政府見解の基本的論理を踏襲し、法的安定性も確保されている。
「違憲」論者は、存立危機事態という極めて限定的かつ重大な危機を脱する目的であっても、武力行使を否定するのだろうか。
日本の安保環境の悪化を踏まえれば、同盟国の米国や友好国の豪州などと防衛協力を強め、抑止力を高める必要性は増している。
参院審議は既に、80時間を超した。審議を尽くし、最後は採決で法案の可否を決するのは、議会制民主主義の基本ルールである。
疑問なのは民主党の対応だ。
4月に、将来の集団的自衛権の行使容認に含みを残す党見解をまとめた後、どんな状況なら容認するかの党内論議を回避し、ひたすら法案反対を唱え続けている。
非現実的な「徴兵制の復活」への国民の不安をあおるようなパンフレットを作成したことには、党内からも批判が相次いだ。
岡田代表は10年以上前から、米艦防護を可能にすることに前向きだったのに、なぜ反対一辺倒になってしまったのか。
維新の党と、日本を元気にする会など3党は、それぞれ政府案の対案や修正案を参院に提出し、与党と協議を重ねている。
民主党は、領域警備法案を維新と共同提出しただけで、集団的自衛権などの対案は出していない。細野政調会長は「安保政策は本来、与野党が対立すべきでない」とし、対案作成にも前向きだったが、党全体の方針にはならなかった。
3年以上も政権を担当した野党第1党として、無責任ではないか。政府案に反対するだけでは、「抵抗野党」のそしりを免れない。
過去最長の95日間の延長をした通常国会も、27日に閉幕する。会期中に確実に成立させねばならない。
特別委員会での法案採決の前提となる中央公聴会が15日に設定された。与党が来週後半の特別委と本会議の採決・成立を目指すのに対し、民主など野党6党は、法案の成立阻止に向けて「あらゆる手段を講じる」ことで一致した。
民主党などは、安保法案を「違憲」と決めつけている。しかし、この批判は当たらない。
法案は、集団的自衛権の行使の要件を、あくまで日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に厳しく限定した。日本周辺有事における米軍艦船の防護などを想定したものである。
過去の最高裁判決や政府見解の基本的論理を踏襲し、法的安定性も確保されている。
「違憲」論者は、存立危機事態という極めて限定的かつ重大な危機を脱する目的であっても、武力行使を否定するのだろうか。
日本の安保環境の悪化を踏まえれば、同盟国の米国や友好国の豪州などと防衛協力を強め、抑止力を高める必要性は増している。
参院審議は既に、80時間を超した。審議を尽くし、最後は採決で法案の可否を決するのは、議会制民主主義の基本ルールである。
疑問なのは民主党の対応だ。
4月に、将来の集団的自衛権の行使容認に含みを残す党見解をまとめた後、どんな状況なら容認するかの党内論議を回避し、ひたすら法案反対を唱え続けている。
非現実的な「徴兵制の復活」への国民の不安をあおるようなパンフレットを作成したことには、党内からも批判が相次いだ。
岡田代表は10年以上前から、米艦防護を可能にすることに前向きだったのに、なぜ反対一辺倒になってしまったのか。
維新の党と、日本を元気にする会など3党は、それぞれ政府案の対案や修正案を参院に提出し、与党と協議を重ねている。
民主党は、領域警備法案を維新と共同提出しただけで、集団的自衛権などの対案は出していない。細野政調会長は「安保政策は本来、与野党が対立すべきでない」とし、対案作成にも前向きだったが、党全体の方針にはならなかった。
3年以上も政権を担当した野党第1党として、無責任ではないか。政府案に反対するだけでは、「抵抗野党」のそしりを免れない。