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[読売新聞] 岡田代表不出馬 「民共共闘」の限界ではないか (2016年08月01日)

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共産党との共闘路線が行き詰まった末の退任と言えるだろう。

民進党の岡田代表が記者会見し、任期満了に伴う9月の代表選に出馬しない意向を表明した。

理由については、「参院選で反転攻勢の一歩を踏み出せた。ここで一区切りつけて、新しい人に党を担ってもらいたい」と語った。分かりづらい説明である。

本当に「反転攻勢」の基盤ができたのなら、自ら党を率い、その路線を推進するのが筋だろう。

次期衆院選で、民進、共産、社民、生活の4野党は選挙協力を行う方針を決定している。だが、連立政権を目指すかどうかの議論はこれからだ。岡田氏は、民進党内を説得し、共闘を進めることに限界を感じたのではないか。

岡田氏は昨年1月に旧民主党代表に就任した後、懸案だった維新の党との合流を実現した。参院選では、「民共共闘」を進め、4野党の選挙協力を確立させた。

その結果、3年前と比べれば獲得議席が多かったが、6年前よりは大幅に議席を減らした。

見過ごせないのは、民共共闘によって得たものがある反面、失ったものも少なくないことだ。

共産党は、自衛隊を「違憲」と断じ、日米安保条約の廃棄を求める。消費増税や環太平洋経済連携協定(TPP)、原発再稼働でも、民進党との隔たりは大きい。

こうした政策面の矛盾に目をつぶり、選挙協力を深めたことは、安全保障関連法の廃止の主張と合わせて、党内の保守系などから反発を招いていた。

岡田氏の参院選の目標設定には党内外から疑問の声が出た。

憲法改正の阻止を前面に掲げ、「改憲勢力に3分の2を取らせない」と訴えた。55年体制の革新陣営の主張に先祖返りしたかのような印象を与えたうえ、その目標自体も達成できなかった。

岡田氏が東京都知事選の投開票の前夜、唐突に不出馬表明したことも不評だった。「敵前逃亡」と受け止めた都連関係者らから強い不満が出たのは当然だろう。

9月15日の代表選では「岡田路線」の是非が主要論点になる。

「政権選択」が問われる衆院選でも共産党と協力するなら、自公政権に代わって、どんな政権を目指すのかを明示し、現実的な政策合意を行うことが欠かせない。

「政権交代可能な政党」を目指す以上、本来、外交・安保政策は大筋で自民党と共有できることが望ましい。その点を十分に踏まえた議論が求められよう。

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