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[産経新聞] 【主張】尖閣奪取に海上民兵 中国は本気だ!「軍事力」への警戒強めよ (2016年08月18日)

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尖閣奪取への飽くなき意図が明白になった。

尖閣諸島の周辺海域へ今月、中国公船とともに押し寄せた中国漁船に、100人以上の海上民兵が乗り組んでいたことが産経新聞社の調べで分かった。

海上民兵とは、一般の漁民に紛れ込み、漁船団を利用する海のゲリラ戦部隊だ。そうした特殊な軍事力を中国は投入してきた。

尖閣奪取の事前演習をしているつもりなのか。このような敵対的行動を、放置しておくことは許されない。

中国の民兵組織は、共産党中央軍事委員会の傘下にある。つまり、軍の構成単位であることを中国国防法が定めている。

これは、極めて深刻な事態である。現在、尖閣周辺で警戒にあたる海上保安庁は警察機関の一種であり、外国の軍事組織を取り締まる権限や能力はないからだ。

多数の偽装漁船が突然、軍の所属だと名乗り、海保の巡視船を取り囲んだ場合、なすすべもない。偽装漁船から海上民兵や特殊部隊が尖閣上陸を企てようとしても、手出しはできない。

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中国は6月、尖閣周辺の接続水域に初めて軍艦を侵入させた。その後の海上民兵投入である。中国の軍事力が顕在化していることを直視しなければならない。

中国を刺激したくないのが先に立つためか、安倍晋三政権は自衛隊を尖閣から遠ざけている。これで現状の危機を打開できるか。陸自を含む島の有人化や、海自艦船の展開を含め、防衛態勢の見直しが急務である。

海上民兵を勢力拡張に使うのは、中国の常套(じょうとう)手段ともいえる。尖閣でも前例がある。日中平和友好条約の交渉中、昭和53年4月に機銃を装備した武装漁船100隻以上が押し寄せ、尖閣周辺の領海に侵入する事件があった。

中国は2013年の段階で、南シナ海を管轄する海上民兵組織を設けている。

南シナ海で「航行の自由」作戦中の米イージス艦は、昨年と今年の2度にわたり、海上民兵の乗った多数の武装漁船に囲まれたという。米側は中国に懸念を伝えた。すでに海上民兵は米中間で具体的な問題となっている。

安倍政権は米国と連携し、外交の場では抗議しつつ、「侵略の先兵」を阻止する方策を急ぎ構築しなければなるまい。

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