民進党の代表選が2日に始まった。蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎の3氏が立候補し、所属議員や党員・サポーターらの投票で15日に新代表が決まる。7月の参院選では「何をしたい党なのかがよく分からない」との有権者の声も聞かれた。政策の旗を競い、党の針路を示す論戦を期待したい。
野党第1党として最大の課題は安倍政権への批判の受け皿になり得ていない現状からの脱却だろう。2009年に発足した旧民主党政権は、政策の実行力を欠き国民の期待を大きく裏切った。
3候補者は告示後に日本記者クラブで共同会見し、「国民の信頼がない。今の民進党の姿を変えたい」などとそろって危機感を口にした。問題は党をどう立て直すかだ。そのためには安倍政権への対立軸を明確にし、有権者に政策を地道に訴えていくしかない。
記者会見で蓮舫氏は「安心の好循環社会をつくる」、前原氏は「ヒューマン・ファースト」、玉木氏は「人への投資の大幅拡充」を訴えた。子育てや教育、職業訓練などに予算を重点配分する考え方は共通している。人口減に歯止めをかけるため若い世代に寄り添う問題意識は理解できる。
一方で玉木氏は年間5兆円規模の「子ども国債」を発行して子育てや教育に重点配分すると提案し、蓮舫、前原両氏も賛同した。膨張する年金、医療、介護などの制度改革には触れなかった。難しい課題や成長戦略にどう取り組むつもりなのかを知りたい。
旧民主党政権は消費増税などを巡り党内が激しくきしんだ。代表選できちんと基本政策を詰めておく必要があり、安全保障や憲法改正への立場も問われる。
民進党への期待は残念ながらそう大きくない。だが政権交代の受け皿として野党の存在は重要だ。今回の代表選は民進党がその一翼を担えるかどうかの分岐点になる可能性がある。党内では野党共闘の進め方などに注目が集まるが、目指す日本の将来像が分かるような骨太の議論をして欲しい。
野党第1党として最大の課題は安倍政権への批判の受け皿になり得ていない現状からの脱却だろう。2009年に発足した旧民主党政権は、政策の実行力を欠き国民の期待を大きく裏切った。
3候補者は告示後に日本記者クラブで共同会見し、「国民の信頼がない。今の民進党の姿を変えたい」などとそろって危機感を口にした。問題は党をどう立て直すかだ。そのためには安倍政権への対立軸を明確にし、有権者に政策を地道に訴えていくしかない。
記者会見で蓮舫氏は「安心の好循環社会をつくる」、前原氏は「ヒューマン・ファースト」、玉木氏は「人への投資の大幅拡充」を訴えた。子育てや教育、職業訓練などに予算を重点配分する考え方は共通している。人口減に歯止めをかけるため若い世代に寄り添う問題意識は理解できる。
一方で玉木氏は年間5兆円規模の「子ども国債」を発行して子育てや教育に重点配分すると提案し、蓮舫、前原両氏も賛同した。膨張する年金、医療、介護などの制度改革には触れなかった。難しい課題や成長戦略にどう取り組むつもりなのかを知りたい。
旧民主党政権は消費増税などを巡り党内が激しくきしんだ。代表選できちんと基本政策を詰めておく必要があり、安全保障や憲法改正への立場も問われる。
民進党への期待は残念ながらそう大きくない。だが政権交代の受け皿として野党の存在は重要だ。今回の代表選は民進党がその一翼を担えるかどうかの分岐点になる可能性がある。党内では野党共闘の進め方などに注目が集まるが、目指す日本の将来像が分かるような骨太の議論をして欲しい。