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[産経新聞] 【主張】中国の南シナ海居座りにロシアが手を貸した!中露の合同演習は、日米と周辺国への威嚇だ (2016年09月15日)

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中露両国の海軍が中国・海南島沖の南シナ海で合同演習中だ。演習自体は2012年から続けているが、南シナ海では初めてである。

両国はこれを「第三国に向けたものではない」というが、うなずくわけにはいかない。

「力による現状変更」を辞さない双璧をなす中国とロシアが、「法の支配」や自由な航行を尊重する日米や沿岸国に連携を見せつけ、威嚇している。国際社会に背を向ける姿勢を容認することはできない。

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演習には中国の南海、東海、北海の三大艦隊のミサイル駆逐艦や潜水艦など艦船10隻、航空機19機、ロシア太平洋艦隊の艦船5隻などが参加している。

プーチン大統領は5日、20カ国・地域(G20)首脳会議があった杭州での会見で、南シナ海をめぐる中国の主張を否定した仲裁裁判所の裁定を拒む中国の立場を「支持する」と明言した。

長い国境線を接し、互いに猜疑(さいぎ)心を持つ中露だが、「共通の敵」には手を結ぶことを忘れてはならない。米国をはじめとする先進7カ国が主導する国際秩序には、いずれも不満を有している。

安倍晋三首相は、北方領土問題の解決に加えて対中牽制(けんせい)を期待しつつ、プーチン氏との信頼関係を築いているようだ。

しかし、プーチン氏は日本の経済先行路線を手招きしながら、南シナ海問題では、さっさと中国に与(くみ)する。一筋縄ではいかない相手であることを忘れては危うい。

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同時に、ロシアがクリミアで、中国が南シナ海で、国際法を踏みにじり、勢力拡張を進めてきた原因として、オバマ政権が国際秩序の維持に対して毅然(きぜん)とした態度を示さなかったことがある。

ロシアを味方につけた中国が、南シナ海で妥協しない姿勢を露骨に誇示する狙いも受け取れる。

中国は、南シナ海での矛先をまず第一に米国に対し、次いで日本に向けている。世界経済の大動脈である南シナ海が「平和で自由な海」であり続けるよう主導する日米が目障りなのだろう。

こうした厳しい国際政治の現実に日本人は目を向けるべきだ。

見落としてはならないのは尖閣諸島防衛への影響だ。極めて実戦的な演習には、対潜水艦作戦や海軍陸戦隊による島嶼(とうしょ)上陸・防衛作戦が含まれる。南シナ海の演習でも人ごとではないのである。

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