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[読売新聞] 日米防衛相会談 北の脅威に共同対処を強めよ (2016年09月17日)

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我が国の安全保障環境が厳しさを増す中、日米両政府がより緊密に連携し、機動的な共同対処を行う体制を構築することが重要である。

稲田防衛相が訪米し、カーター米国防長官と会談した。北朝鮮の相次ぐ核実験や弾道ミサイル発射について、「日米両国に対する安全保障上の重大な脅威である」との認識で一致した。

北朝鮮は、核弾頭を搭載したミサイルの完成、配備を目指し、突き進んでいる。度重なる実験と発射により、核の小型化技術やミサイルの精度は相当程度、向上したと覚悟せねばなるまい。

カーター氏は、日本防衛目的の米国の核抑止力を再確認した。北朝鮮の挑発への抑止力を高めるものと評価できる。

自衛隊と米軍の情報共有や共同の警戒監視活動を着実に拡大することが大切だ。日米に、韓国、豪州、インドなどを加えた多国間の訓練や防衛協力にも力を入れ、北朝鮮包囲網の強化を図りたい。

尖閣諸島周辺での中国公船の頻繁な領海侵入に関して、稲田氏は「日本の主権侵害であり、断固受け入れられない」と強調した。

カーター氏は、尖閣諸島を日米安保条約5条の適用対象と認め、中国の一方的な行動への反対を明言した。その意義は大きい。

南シナ海での中国の軍事拠点化について、両氏は、「地域の緊張を高める行動で、国際社会の懸念事項だ」との認識を共有した。

中国は、7月の仲裁裁判所判決を無視する構えを崩していない。力による現状変更の既成事実化は許されない。日米両国は、巡視船の供与や人材育成を通じて、南シナ海沿岸国の海上保安能力の向上を引き続き支援するべきだ。

稲田氏は、ワシントンでの講演で、中国の人工島周辺における米軍艦船の巡視活動を強く支持した。日本が、米軍との共同巡航訓練などを通じて、南シナ海への関与を強める方針も表明した。

軍事力を背景とした中国の海洋進出に自制を促すには、米国だけでなく、日本や関係国が積極的に協調行動を取り、中国に圧力をかけることが欠かせない。

米軍普天間飛行場の移設問題に関し、稲田氏は会談で、辺野古移設が「唯一の解決策との立場は不変である」と強調した。米軍輸送機オスプレイの訓練の沖縄県外移転について協力要請し、カーター氏も前向きな考えを示した。

日米同盟の根幹である米軍の駐留を円滑に続けるため、両国は沖縄の負担軽減に一層努めたい。

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