小池百合子東京都知事が初の都議会に臨み、所信表明演説で「都民ファースト」という都政運営の基本姿勢を示した。
都政において最大の焦点となった豊洲市場問題への対応でも、都民の疑問に誠実に答え、信頼を回復する考え方に徹するという意味だろう。
就任早々、小池氏は11月の豊洲開場の延期を決めた。大きな混乱を招くだけに賛否両論があったが、その後に「盛り土」をめぐる都庁の虚偽説明などが判明して状況は一変した。
2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピックの計画見直しにも着手するという。
いずれも巨大な課題を抱え、都政が停滞することは避けねばならないが、情報公開を徹底し、組織のゆがみを正す取り組みを優先させる判断は妥当である。
豊洲問題をめぐっては、知事と議会がその解明という共通の課題を持ったともいえる。最大会派の自民党も、都庁への疑問を深めているためだ。
小池氏は知事選公約で議会の冒頭解散に言及していたが、不毛な対立の構図から脱することができたのは良かった。
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豊洲移転の延期決定後、当初の計画にあった敷地全体への盛り土が行われず、水産物を取り扱う主要施設などに地下空洞が造られ、地下水がたまっている状況なども判明した。
主要施設の工事の落札率が100%近いことなどの不自然さも指摘されている。
とりわけ、土壌汚染対策の柱だった盛り土がいつの間にかなくなり建設方法が変更された問題は、都の問題にとどまらず関心が広がっている。食品を扱う主要施設だけに消費者の厳しい目が向けられるのは当然だろう。
都庁は変更について公表してこなかったし、責任の所在も明らかにできていない。小池氏が、計画変更の経緯などの調査結果を、30日までに報告させるとしたのは妥当である。
だが、この段階でどこまで事実関係が明らかになるかは不明だ。「原因を探求する義務」を、知事も議会も十分に果たさなければならない。
都庁の組織としてのあり方、透明性が厳しく問われている。都議会もチェック能力の欠如への批判を免れない。緊張感を失わず改革につなげてもらいたい。
都政において最大の焦点となった豊洲市場問題への対応でも、都民の疑問に誠実に答え、信頼を回復する考え方に徹するという意味だろう。
就任早々、小池氏は11月の豊洲開場の延期を決めた。大きな混乱を招くだけに賛否両論があったが、その後に「盛り土」をめぐる都庁の虚偽説明などが判明して状況は一変した。
2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピックの計画見直しにも着手するという。
いずれも巨大な課題を抱え、都政が停滞することは避けねばならないが、情報公開を徹底し、組織のゆがみを正す取り組みを優先させる判断は妥当である。
豊洲問題をめぐっては、知事と議会がその解明という共通の課題を持ったともいえる。最大会派の自民党も、都庁への疑問を深めているためだ。
小池氏は知事選公約で議会の冒頭解散に言及していたが、不毛な対立の構図から脱することができたのは良かった。
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豊洲移転の延期決定後、当初の計画にあった敷地全体への盛り土が行われず、水産物を取り扱う主要施設などに地下空洞が造られ、地下水がたまっている状況なども判明した。
主要施設の工事の落札率が100%近いことなどの不自然さも指摘されている。
とりわけ、土壌汚染対策の柱だった盛り土がいつの間にかなくなり建設方法が変更された問題は、都の問題にとどまらず関心が広がっている。食品を扱う主要施設だけに消費者の厳しい目が向けられるのは当然だろう。
都庁は変更について公表してこなかったし、責任の所在も明らかにできていない。小池氏が、計画変更の経緯などの調査結果を、30日までに報告させるとしたのは妥当である。
だが、この段階でどこまで事実関係が明らかになるかは不明だ。「原因を探求する義務」を、知事も議会も十分に果たさなければならない。
都庁の組織としてのあり方、透明性が厳しく問われている。都議会もチェック能力の欠如への批判を免れない。緊張感を失わず改革につなげてもらいたい。