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[産経新聞] 【主張】サムスン製スマホ 安全管理の徹底が責務だ (2016年10月19日)

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スマートフォン世界最大手の韓国サムスン電子製の最新機種が相次ぎ発火事故を起こし、生産と販売の中止に追い込まれた。生命を危険にさらす深刻な事態といえる。

安全確保のため、米国に続いて日本の航空当局が、機内への持ち込みを禁止したのは当然だ。

スマホは、日常生活や仕事に欠かせぬ道具となった。サムスンは世界で販売した製品(日本は未発売)を安全に回収し、原因の解明を急がねばならない。

世界で激しいシェア競争が繰り広げられる中で、同社は新製品の投入を優先し、安全管理を怠ったのではないかとも指摘される。

韓国を代表する企業だけに、消費者不安を早期に取り除くことができなければ、同国製造業そのものの信頼失墜を招きかねない。

8月に発売した「ギャラクシーノート7」は、瞳の虹彩を使った個人認証などを備えた最上位機種だった。だが、発売直後から、充電時にバッテリーから発火する事故が相次ぎ、9月初めに250万台を無償で交換した。

同社は「電池に問題があった」として部品を取り換えて10月から販売を再開した。その後、交換済みの機種でも事故が報告され、生産と販売を全面的に中止する事態に至った。世界最大手として、あまりに杜撰(ずさん)な対応である。

競合する米アップル社が9月に新機種を売り出すのを控え、サムスンが新機種の発売を急いだという見方が浮上している。

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ライバルに先行するため、品質や安全管理など、メーカーとして徹底すべき基本が疎(おろそ)かになっていなかったか。真の原因を特定せず、安全を確認できないまま販売再開を強行した責任も重い。

航空機への持ち込みが禁止される分、世界中で売られた製品の回収に時間を要することも予想される。だが、顧客に多大な負担を強いることを重く受け止め、最後まで安全に回収する責務がある。

最近のスマホには多様な機能があるが、安全を確保する上で無理な設計となっていないか。サムスンは詳細な説明を尽くさなければならない。他メーカーも、今回の事故原因を参考に自らの製品の安全対策につなげてほしい。

創業家が支配するサムスングループは、かねて複雑な統治形態が問題視されてきた。問題の再発を防ぐため、意思決定体制の透明性確保も忘れてはなるまい。

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