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[産経新聞] 【主張】豊洲市場の検証 謎の解明へ一歩にすぎぬ (2016年11月04日)

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豊洲市場(東京都江東区)の主要施設下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、小池百合子知事が経緯を調べた検証結果を公表した。

担当部局である中央卸売市場の当時の複数幹部らを特定し、責任の所在を明確にした点は一歩前進だろう。

だが、真の発案者は誰なのか。重大な計画変更はなぜ表面化しなかったのか。

つまり、都庁で何が起きていたのか、という肝心なことは謎のままである。検証は緒に就いたにすぎない。

都は平成21年2月に豊洲市場の敷地全体で盛り土を行うことを決めている。だが、小池氏は1日の会見で、23年8月の部課長級会議で地下空洞をつくる異なる方針が確認されたと説明した。

当初の方針を部課長クラスが覆し、それが実施に移されるという仕組みを、そのまま受け取ることは難しい。方針変更を取り巻く当時の都庁内外の状況などを、さらに調べる必要がある。

整備費をめぐっても大きな疑問が指摘されてきた。

豊洲市場の総事業費は、着工前の公表額より約2千億円も膨らんで約5800億円に達した。このうち青果棟など主要3施設の入札では、再入札の結果、予定価格の99%の高率で大手ゼネコンが落札したことが分かっている。

再入札の際、都がゼネコンから聞き取った内容が価格に反映されたと思わせるような状況だ。

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盛り土にかかわる土壌汚染対策費は約270億円増えた。地下空洞への変更でどうなったのか。盛り土に使うはずの土はどこへ行ったか。多くの疑問が手つかずのままだ。予算執行に伴う責任というものが見当たらない。

小池氏は知事就任後、情報公開の徹底により、都政の信頼を回復すると繰り返し述べてきた。さらなる検証で疑問を解き、都民に説明する義務を負っている。

巨額の予算を伴う市場計画の変更について、見過ごしてきた都議会も、重い責任を負わなければならない。

都議会閉会後に豊洲問題を審議するために特別委員会を設置したはずだが、実質的な活動をしていないのはどうしたことか。

巨大な謎を解明するため、都庁OBや歴代知事らが調査に積極的に協力すべきことも言うまでもなかろう。

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