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[産経新聞] 【主張】自民立党60年 保守進める力量を高めよ (2015年11月30日)

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昭和30年11月の保守合同から60年の節目を、自民党は恵まれた時期に迎えたといえよう。

衆院で過半数を大幅に上回る議席を持つ一方、野党第一党の民主党は低迷し、第三極勢力も分裂などを繰り返す。

「1強多弱」といわれる中、自民党は公明党との連立で当面は政権与党を続けられようが、最も重要なのはそのことではない。「保守」としての課題に取り組み、どれだけ進められるかである。

60年のうち、自民党が衆院で第一党の座を明け渡したのは、民主党政権の3年3カ月だけだ。

大きな歴史の流れに沿って、自民党が国のかじ取りをしてきた結果だろう。自由と民主主義を掲げ、日米同盟を堅持しつつ独立と経済発展を図ってきた。現実的な選択だった。

数的優位を持つ現状において、より求められるのは、課題の実現に向けた多様で活発な議論ではないか。

立党60年を機に、先の大戦後の占領政策や現憲法の制定過程、慰安婦など歴史認識問題を検証する組織を、総裁直属のものとして設置した。

だが、そこで議論はしても結論は出さないという。「歴史修正主義」といった批判が出て、対外摩擦が生じるのを恐れているのだろうか。中途半端な姿勢には、史実と日本の名誉を守り抜こうという覚悟が初めから欠けている。

党是であるはずの憲法改正に向けた動きも、足踏みしている印象が拭えない。

安全保障関連法の制定にあたっては、集団的自衛権の行使に公明党がより慎重な立場をとった。抑止力を強化し、日本の守りに資する内容にする観点で、自民党としての議論は十分だったのか。

法案審議の過程で、国民への説明を個々の自民党議員がどれだけ果たせたのか。

政党の務めは、国や社会が抱える問題を見極め、不人気な政策で国民への説明が難しい事柄であっても、果敢に訴え、責任をもって対応策を講じることだ。

先の大阪ダブル選での完敗など、戦い方のうまい相手には歯が立たないもろさも抱える。

政策を柔軟に展開し、国民の支持をつなぎ留めていける多様で力量のある人材、世代をいかに育てていくか。徹底した政策論議こそ、政党の生命線である。

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