Quantcast
Channel: 新聞社説まとめサイト
Viewing all articles
Browse latest Browse all 17272

[産経新聞] 【主張】パリに150首脳 対テロ団結の決意示した (2015年12月02日)

$
0
0
「テロに屈しない」との国際社会の強い決意が示されたといえよう。

先月中旬、約130人の犠牲者を出す同時多発テロが起きたパリで、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が予定通り始まり、約150カ国の首脳が結集し、対テロでの団結を表明した。

オランド仏大統領は、テロと温暖化への対処は「われわれが立ち向かうべき地球規模の2つの大きな課題だ」と述べた。

指摘の通り、人類の未来が懸かった重要な会議である。先送りはできない。テロを乗り越えての開催に敬意を表したい。

温暖化による異常気象が食糧不足を誘発し貧困と結びつけば、テロの温床は広がる。2つの課題はけっして無関係ではない。

約2週間のCOP21の交渉では、地球温暖化に歯止めをかけるための「結果」が求められることを忘れてはならない。

事件後、仏警察特殊部隊はテロリストのアジトを急襲して新たな攻撃を阻止し、非常事態は延長され、国内治安が固められた。

こうした当局の対応を、テロの不安や厳戒態勢の不自由に耐える仏国民が支えた。首脳の結集は、テロと戦う人々の努力のたまものである。

開会式の演説では、多くの首脳がテロとの戦いに言及した。安倍晋三首相やオバマ米大統領はテロ現場に赴き献花した。

首脳らのパリでの言動は、対テロでの国際連携の意識を高める。テロとの戦いは、それをどう具体化していくかだ。

テロを首謀した「イスラム国」と、この過激組織の台頭を許したシリア内戦をめぐっては、連携が困難な状況が続いている。

オランド氏はテロ発生後、米国やロシアを訪問し、欧米首脳の他、プーチン露大統領からも、イスラム国掃討戦での協力を取り付けた。だが、トルコによるロシア軍機撃墜事件で、両国が鋭く対立し事態は悪化している。

安倍首相はオランド氏との会談で、テロは共通の価値に対する挑戦だとして「断固非難する」と述べたほか、トルコのエルドアン大統領には、ロシアとの仲介の用意があることを伝えた。

テロとの戦いは幅広く、関係国間の調整もその一つだろう。日本ができることは、積極的に進めていかねばならない。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 17272

Trending Articles