戦後70年の節目の年が暮れようとしている。
読売新聞の読者が選ぶ今年の「日本10大ニュース」からは、喜びと不安が交錯したこの1年が浮かび上がる。
1位に選ばれたのは、「ノーベル賞に大村、梶田両氏」だ。
生理学・医学賞を受賞した北里大の大村智特別栄誉教授は寄生虫病の特効薬開発に貢献し、アフリカなどで多くの命を救った。物理学賞の梶田隆章東京大宇宙線研究所長は素粒子「ニュートリノ」に質量があることを突き止めた。
世界が認めた2人の功績に、改めて拍手を送りたい。
2位にも明るいニュースの「ラグビーW杯、日本は3勝の歴史的快挙」が入った。強豪を破ったラグビー日本代表の奮闘は感動を呼び、ラグビー人気は上向いている。2019年に日本で開催される次回W杯が、今から楽しみだ。
政治・経済分野で票を集めたのは、「安全保障関連法が成立」(6位)と「TPP、日米など12か国で大筋合意」(9位)だ。
国際社会で日本が果たすべき役割は増している。安保関連法に基づき、世界の平和と安定に貢献しなければならない。環太平洋経済連携協定(TPP)を経済成長につなげることも重要だ。
国民に不安が広がる問題が多かったことが、今年の特徴だろう。「『イスラム国』が日本人2人を拘束、殺害映像を公開」(3位)は、日本も過激派組織の脅威と無縁ではないことを印象付けた。
「マイナンバー制度がスタート」(4位)では、通知カードの送付に遅れが生じた上、便乗詐欺などの被害も出ている。
共通番号(マイナンバー)は、公正で効率的な税や社会保障の実現に不可欠な制度だ。政府には情報管理の徹底が求められる。
「関東・東北豪雨、茨城などで8人死亡」(5位)は、避難の在り方などに課題を残した。
「横浜市でマンション傾斜、基礎工事のデータ改ざん」(8位)の問題は、大きな関心を呼んだ。住民の信頼を裏切った関連企業の責任は重い。
残念だったのは、2020年東京五輪・パラリンピックの準備での相次ぐ失態だ。関係機関の透明性を欠いた意思決定が「五輪エンブレムを撤回、再公募に」(10位)と「新国立競技場の建設計画を白紙撤回」(11位)を招いた。
東京五輪・パラリンピックは、日本の存在感を世界に示す絶好の機会だ。政府や大会組織委員会は信頼回復に努めてもらいたい。
読売新聞の読者が選ぶ今年の「日本10大ニュース」からは、喜びと不安が交錯したこの1年が浮かび上がる。
1位に選ばれたのは、「ノーベル賞に大村、梶田両氏」だ。
生理学・医学賞を受賞した北里大の大村智特別栄誉教授は寄生虫病の特効薬開発に貢献し、アフリカなどで多くの命を救った。物理学賞の梶田隆章東京大宇宙線研究所長は素粒子「ニュートリノ」に質量があることを突き止めた。
世界が認めた2人の功績に、改めて拍手を送りたい。
2位にも明るいニュースの「ラグビーW杯、日本は3勝の歴史的快挙」が入った。強豪を破ったラグビー日本代表の奮闘は感動を呼び、ラグビー人気は上向いている。2019年に日本で開催される次回W杯が、今から楽しみだ。
政治・経済分野で票を集めたのは、「安全保障関連法が成立」(6位)と「TPP、日米など12か国で大筋合意」(9位)だ。
国際社会で日本が果たすべき役割は増している。安保関連法に基づき、世界の平和と安定に貢献しなければならない。環太平洋経済連携協定(TPP)を経済成長につなげることも重要だ。
国民に不安が広がる問題が多かったことが、今年の特徴だろう。「『イスラム国』が日本人2人を拘束、殺害映像を公開」(3位)は、日本も過激派組織の脅威と無縁ではないことを印象付けた。
「マイナンバー制度がスタート」(4位)では、通知カードの送付に遅れが生じた上、便乗詐欺などの被害も出ている。
共通番号(マイナンバー)は、公正で効率的な税や社会保障の実現に不可欠な制度だ。政府には情報管理の徹底が求められる。
「関東・東北豪雨、茨城などで8人死亡」(5位)は、避難の在り方などに課題を残した。
「横浜市でマンション傾斜、基礎工事のデータ改ざん」(8位)の問題は、大きな関心を呼んだ。住民の信頼を裏切った関連企業の責任は重い。
残念だったのは、2020年東京五輪・パラリンピックの準備での相次ぐ失態だ。関係機関の透明性を欠いた意思決定が「五輪エンブレムを撤回、再公募に」(10位)と「新国立競技場の建設計画を白紙撤回」(11位)を招いた。
東京五輪・パラリンピックは、日本の存在感を世界に示す絶好の機会だ。政府や大会組織委員会は信頼回復に努めてもらいたい。