日本と豪州は、アジア太平洋地域の平和と繁栄を牽引(けんいん)する重要な役割を担う。包括的な協力関係を構築すべきだ。
9月に就任したターンブル豪首相が初来日し、安倍首相と会談した。経済や安全保障分野で連携し、戦略的利益を共有する日豪の「特別な関係」を深化させるとの共同声明を発表した。
安倍首相は「揺るぎない戦略的関係を確認した」と強調した。ターンブル首相は「両国は共通の価値観を持っている」と語った。
中国通で知られるターンブル首相は、東アジアでの最初の訪問国に日本を選んだ。安倍首相と親密だった同じ自由党のアボット前首相の路線を継承し、対日重視の姿勢を示したことを歓迎したい。
両首脳は、今年1月に発効した経済連携協定(EPA)に基づき、貿易・投資を拡大させることで一致した。技術革新の重要性を確認し、再生医療などの分野で協力することでも合意した。
日本は、豪州から主に天然資源や食料を輸入し、自動車などを輸出しており、相互補完の関係にある。EPAを追い風に、日豪の経済協力を進めることが大切だ。
日豪など12か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉も10月に大筋合意した。早期発効に向けて連携を強めたい。
共同声明は、南シナ海情勢に関し、「大規模な埋め立てや建設の停止」と「軍事目的での使用の自制」を明記した。無論、南シナ海で人工島造成と軍事拠点化を進める中国が念頭にある。
米海軍は10月、人工島の12カイリ内で巡視活動を行った。豪州軍の哨戒機も最近、人工島付近で監視活動を行ったという。国際法に基づく「航行と飛行の自由」の確保へ、手段を尽くすことが重要だ。
海上交通路(シーレーン)の安全確保は、自由な経済活動の基盤となる。日豪は米国などと緊密に協調し、中国に国際ルールの順守を働きかけねばならない。
首脳会談では、安全保障関連法に基づき、防衛協力を強めることで合意した。自衛隊と豪州軍の共同訓練を円滑にする「訪問部隊地位協定」の締結も急ぐ方針だ。日豪両国と同盟関係にある米国を交え、重層的協力を追求したい。
ターンブル首相は、日本が南極海で調査捕鯨を再開したことについて「深い失望」を表明した。安倍首相は、科学的根拠に基づく調査の必要性などを説明した。
双方の主張の開きは大きいが、この問題が日豪関係全体を損なわないようにする必要がある。
9月に就任したターンブル豪首相が初来日し、安倍首相と会談した。経済や安全保障分野で連携し、戦略的利益を共有する日豪の「特別な関係」を深化させるとの共同声明を発表した。
安倍首相は「揺るぎない戦略的関係を確認した」と強調した。ターンブル首相は「両国は共通の価値観を持っている」と語った。
中国通で知られるターンブル首相は、東アジアでの最初の訪問国に日本を選んだ。安倍首相と親密だった同じ自由党のアボット前首相の路線を継承し、対日重視の姿勢を示したことを歓迎したい。
両首脳は、今年1月に発効した経済連携協定(EPA)に基づき、貿易・投資を拡大させることで一致した。技術革新の重要性を確認し、再生医療などの分野で協力することでも合意した。
日本は、豪州から主に天然資源や食料を輸入し、自動車などを輸出しており、相互補完の関係にある。EPAを追い風に、日豪の経済協力を進めることが大切だ。
日豪など12か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉も10月に大筋合意した。早期発効に向けて連携を強めたい。
共同声明は、南シナ海情勢に関し、「大規模な埋め立てや建設の停止」と「軍事目的での使用の自制」を明記した。無論、南シナ海で人工島造成と軍事拠点化を進める中国が念頭にある。
米海軍は10月、人工島の12カイリ内で巡視活動を行った。豪州軍の哨戒機も最近、人工島付近で監視活動を行ったという。国際法に基づく「航行と飛行の自由」の確保へ、手段を尽くすことが重要だ。
海上交通路(シーレーン)の安全確保は、自由な経済活動の基盤となる。日豪は米国などと緊密に協調し、中国に国際ルールの順守を働きかけねばならない。
首脳会談では、安全保障関連法に基づき、防衛協力を強めることで合意した。自衛隊と豪州軍の共同訓練を円滑にする「訪問部隊地位協定」の締結も急ぐ方針だ。日豪両国と同盟関係にある米国を交え、重層的協力を追求したい。
ターンブル首相は、日本が南極海で調査捕鯨を再開したことについて「深い失望」を表明した。安倍首相は、科学的根拠に基づく調査の必要性などを説明した。
双方の主張の開きは大きいが、この問題が日豪関係全体を損なわないようにする必要がある。