中国当局に身柄を拘束されていた札幌市の男性が「国家安全危害」の疑いで1月に逮捕されたことが明らかになった。
これで日本人の男女4人が中国当局に「スパイ容疑」で逮捕されていることになる。
菅義偉官房長官は「事柄の性質上、詳細についてコメントは控える」とし、「わが国はいかなる国に対してもスパイ活動に従事していない」と強調した。だが、中国側に抗議したかについては明らかにしていない。
菅長官はまた「邦人保護の観点から在外公館を通じ、適切に支援活動を行っている」と従来の説明を繰り返したが、邦人4人の拘束期間はすでに長期に及んでいる。もっと強く、釈放と帰国を求めるべきではないか。
4人の逮捕容疑について、中国側も詳細を公表していない。両国が情報を開示しないまま、水面下で交渉を続けているとすれば、これは異常である。
たとえ逮捕容疑に不都合な事実が含まれるとしても、法に基づく交渉を行うためには正確な情報の開示とその検証が欠かせない。
中国は一昨年に「反スパイ法」、昨年「国家安全法」、今年1月には「反テロ法」を施行した。いずれも治安当局が幅広く定義を解釈できることから、恣意(しい)的な運用が懸念されていた。外国人の人権活動などを規制する「外国非政府組織(NGO)管理法」の制定準備も進められている。
中国国内では1月、カナダ人男性が「国家機密詮索窃盗罪」で起訴された。中国の人権派弁護士を支援していたスウェーデン人男性も「国家安全危害」容疑で拘束され、国外追放されたばかりだ。
外国人の拘束が相次ぐ一方で、国内に向けた締め付けは、さらに苛烈だ。甘粛省では地元当局の訓練の不手際による火災を取材した記者が行方不明になり、地元警察が家族に「買春容疑で逮捕した」と連絡したが、1週間後に容疑は「政府を恐喝」となった。
香港で中国政府に批判的な書籍を扱う書店主ら5人が失踪した事件でも、うちの1人について、親中派の立法会議員が「中国本土で買春の疑いで拘束されている」という情報を流した。
それほど、身柄拘束や逮捕の初期情報はあいまいである。中国から発信される内容をうのみにするわけにはいかない。
これで日本人の男女4人が中国当局に「スパイ容疑」で逮捕されていることになる。
菅義偉官房長官は「事柄の性質上、詳細についてコメントは控える」とし、「わが国はいかなる国に対してもスパイ活動に従事していない」と強調した。だが、中国側に抗議したかについては明らかにしていない。
菅長官はまた「邦人保護の観点から在外公館を通じ、適切に支援活動を行っている」と従来の説明を繰り返したが、邦人4人の拘束期間はすでに長期に及んでいる。もっと強く、釈放と帰国を求めるべきではないか。
4人の逮捕容疑について、中国側も詳細を公表していない。両国が情報を開示しないまま、水面下で交渉を続けているとすれば、これは異常である。
たとえ逮捕容疑に不都合な事実が含まれるとしても、法に基づく交渉を行うためには正確な情報の開示とその検証が欠かせない。
中国は一昨年に「反スパイ法」、昨年「国家安全法」、今年1月には「反テロ法」を施行した。いずれも治安当局が幅広く定義を解釈できることから、恣意(しい)的な運用が懸念されていた。外国人の人権活動などを規制する「外国非政府組織(NGO)管理法」の制定準備も進められている。
中国国内では1月、カナダ人男性が「国家機密詮索窃盗罪」で起訴された。中国の人権派弁護士を支援していたスウェーデン人男性も「国家安全危害」容疑で拘束され、国外追放されたばかりだ。
外国人の拘束が相次ぐ一方で、国内に向けた締め付けは、さらに苛烈だ。甘粛省では地元当局の訓練の不手際による火災を取材した記者が行方不明になり、地元警察が家族に「買春容疑で逮捕した」と連絡したが、1週間後に容疑は「政府を恐喝」となった。
香港で中国政府に批判的な書籍を扱う書店主ら5人が失踪した事件でも、うちの1人について、親中派の立法会議員が「中国本土で買春の疑いで拘束されている」という情報を流した。
それほど、身柄拘束や逮捕の初期情報はあいまいである。中国から発信される内容をうのみにするわけにはいかない。