慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を着実に履行し、関係改善を軌道に乗せることが欠かせない。朴槿恵大統領の調整力が問われよう。
朴氏は「3・1独立運動」記念式典で、「歴史を直視する中で互いに手を握り、新時代を切り開くことを願う」と演説し、未来志向の日韓関係を強調した。
日韓合意についても、「政府は今後、被害者の名誉を回復し、実質的な支援の拡大に最善を尽くす」との決意を表明した。
朴氏が、合意を尊重し、韓国側の責任を果たす考えを明確に示したことは、妥当である。
「歴史の過ちを忘れず、合意の趣旨と精神を実践し、将来の世代に教訓として記憶されるよう努めるべきだ」と日本に注文したが、批判的な表現はなかった。「反日」色の強い過去の「3・1」演説とは様変わりしたと言える。
朴氏は就任直後の演説では、「加害者と被害者の歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない」と言い放った。その後は、慰安婦問題で日本側に一方的に譲歩を求める発言を繰り返していた。
日韓関係の転機となった合意では、日本が慰安婦問題で「責任」を認め、安倍首相が「おわび」を表明した。韓国側が元慰安婦を支援する財団を設立し、日本側が10億円を拠出することになる。
韓国政府は、元慰安婦との個別面談を進めている。2月初めの時点では、生存者46人のうち16人から、合意について肯定的な反応を得たという。
懸念されるのは、元慰安婦支援団体や野党が「法的責任」が明示されていない点などを理由に、合意を批判していることだ。
日本が求める在ソウル日本大使館前の少女像撤去について、韓国は「適切な解決」に向けた努力を約束した。4月に総選挙を控え、慎重に対応しているのか、いまだに見通しが立っていない。
野党は選挙をにらんで、合意を朴政権への攻撃材料にする。日韓は「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。外交問題として蒸し返されることはないのか、注視しなければならない。
朴氏は演説で、北朝鮮に対しては「核を放棄するしかないようにする」と訴え、圧力を強める方針を示した。米国と日本の独自制裁を評価したのは、日米韓の連携を重視する姿勢の表れだろう。
北朝鮮への対処という喫緊の課題で、日韓協力をさらに強める必要がある。信頼を積み重ね、安定的な関係発展につなげたい。
朴氏は「3・1独立運動」記念式典で、「歴史を直視する中で互いに手を握り、新時代を切り開くことを願う」と演説し、未来志向の日韓関係を強調した。
日韓合意についても、「政府は今後、被害者の名誉を回復し、実質的な支援の拡大に最善を尽くす」との決意を表明した。
朴氏が、合意を尊重し、韓国側の責任を果たす考えを明確に示したことは、妥当である。
「歴史の過ちを忘れず、合意の趣旨と精神を実践し、将来の世代に教訓として記憶されるよう努めるべきだ」と日本に注文したが、批判的な表現はなかった。「反日」色の強い過去の「3・1」演説とは様変わりしたと言える。
朴氏は就任直後の演説では、「加害者と被害者の歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない」と言い放った。その後は、慰安婦問題で日本側に一方的に譲歩を求める発言を繰り返していた。
日韓関係の転機となった合意では、日本が慰安婦問題で「責任」を認め、安倍首相が「おわび」を表明した。韓国側が元慰安婦を支援する財団を設立し、日本側が10億円を拠出することになる。
韓国政府は、元慰安婦との個別面談を進めている。2月初めの時点では、生存者46人のうち16人から、合意について肯定的な反応を得たという。
懸念されるのは、元慰安婦支援団体や野党が「法的責任」が明示されていない点などを理由に、合意を批判していることだ。
日本が求める在ソウル日本大使館前の少女像撤去について、韓国は「適切な解決」に向けた努力を約束した。4月に総選挙を控え、慎重に対応しているのか、いまだに見通しが立っていない。
野党は選挙をにらんで、合意を朴政権への攻撃材料にする。日韓は「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。外交問題として蒸し返されることはないのか、注視しなければならない。
朴氏は演説で、北朝鮮に対しては「核を放棄するしかないようにする」と訴え、圧力を強める方針を示した。米国と日本の独自制裁を評価したのは、日米韓の連携を重視する姿勢の表れだろう。
北朝鮮への対処という喫緊の課題で、日韓協力をさらに強める必要がある。信頼を積み重ね、安定的な関係発展につなげたい。