幼い命を救う手立てを一刻も早く講じなければいけない。
広島県呉市で生後8カ月の男児が衰弱死した。体重は平均の半分の約4キロしかなく、背中に床ずれのような痕があった。両親が保護責任者遺棄の容疑で逮捕された。
満足な食事を与えていなかったのだろう。風呂に入れず、おむつも替えていなかった。とても親とは呼べない。
今年に入って目を覆いたくなる悲惨な児童虐待が相次いでいる。育児放棄も児童虐待である。
埼玉県狭山市では、3歳の女児が、母親と同居の男に熱湯をかけられてやけどを負い、遺体で発見された。
東京都大田区では、交際相手の3歳の長男に、大柄な暴力団員が1時間半も殴る、蹴る、投げ飛ばすの暴行を加えて死なせた。
大阪府枚方市では、母親と内縁の夫がパチンコに行くため、6歳の男児を裸にして浴室に閉じ込めていた。幸い無事だったが、低体温症に陥る恐れもあった。
いずれも未熟で身勝手な親にあきれるが、これは氷山の一角である。しかも虐待の兆候をキャッチして救える可能性はあった。
狭山市のケースでは女児が定期的な乳幼児健診を受けていないことから、市の職員が何度か自宅を訪問していた。大田区の母親は若いときの妊娠だったため、区は支援が必要な「特定妊婦」として気をつけていたという。
枚方市の母親は生活保護を受給しており、呉市の父親も「生活が苦しい」と市生活支援課に相談していた。もう一歩踏み込んで家庭と子供の状況を察知できていたらと悔やまれる。
厚生労働省によると、平成26年度に全国207カ所の児童相談所が対応した児童虐待の件数は約8万9千件に上り、前年度より20%増、調査開始から24年連続で過去最多を更新した。
児童相談所は人員不足から適切な頻度での家庭訪問ができず、さらに家庭への立ち入りや面会を拒否されるケースも多い。警察など関係機関で情報を共有し、場合によっては一時的に子供を親から引き離して保護する必要がある。
親への支援も欠かせない。核家族で祖父母が子育てに関わることが少なくなり、経験のない若い親は孤立して悩む。
幼い命は、社会全体で育まなければならない。
広島県呉市で生後8カ月の男児が衰弱死した。体重は平均の半分の約4キロしかなく、背中に床ずれのような痕があった。両親が保護責任者遺棄の容疑で逮捕された。
満足な食事を与えていなかったのだろう。風呂に入れず、おむつも替えていなかった。とても親とは呼べない。
今年に入って目を覆いたくなる悲惨な児童虐待が相次いでいる。育児放棄も児童虐待である。
埼玉県狭山市では、3歳の女児が、母親と同居の男に熱湯をかけられてやけどを負い、遺体で発見された。
東京都大田区では、交際相手の3歳の長男に、大柄な暴力団員が1時間半も殴る、蹴る、投げ飛ばすの暴行を加えて死なせた。
大阪府枚方市では、母親と内縁の夫がパチンコに行くため、6歳の男児を裸にして浴室に閉じ込めていた。幸い無事だったが、低体温症に陥る恐れもあった。
いずれも未熟で身勝手な親にあきれるが、これは氷山の一角である。しかも虐待の兆候をキャッチして救える可能性はあった。
狭山市のケースでは女児が定期的な乳幼児健診を受けていないことから、市の職員が何度か自宅を訪問していた。大田区の母親は若いときの妊娠だったため、区は支援が必要な「特定妊婦」として気をつけていたという。
枚方市の母親は生活保護を受給しており、呉市の父親も「生活が苦しい」と市生活支援課に相談していた。もう一歩踏み込んで家庭と子供の状況を察知できていたらと悔やまれる。
厚生労働省によると、平成26年度に全国207カ所の児童相談所が対応した児童虐待の件数は約8万9千件に上り、前年度より20%増、調査開始から24年連続で過去最多を更新した。
児童相談所は人員不足から適切な頻度での家庭訪問ができず、さらに家庭への立ち入りや面会を拒否されるケースも多い。警察など関係機関で情報を共有し、場合によっては一時的に子供を親から引き離して保護する必要がある。
親への支援も欠かせない。核家族で祖父母が子育てに関わることが少なくなり、経験のない若い親は孤立して悩む。
幼い命は、社会全体で育まなければならない。