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[産経新聞] 【主張】ベルギー同時テロ 国際社会は結束を固めよ (2016年03月23日)

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ベルギーの国際空港で複数回の爆発があり、多数の死傷者が出た。空港は閉鎖され、航空便は欠航となった。

またも、残忍な爆破テロである。罪のない人々の命が一瞬にして奪われた。いかなる動機であれ断じて許せない。

欧州連合(EU)の施設に近い地下鉄駅でも爆発があり、すべての地下鉄駅が閉鎖された。

ベルギー内務省はテロ警戒レベルを最高に引き上げた。自爆テロとの情報もある。都市の交通をマヒさせ、一般住民を恐怖に陥れようとする卑劣な手口だ。

捜査当局は、徹底して犯人グループを追い詰めてほしい。さらなるテロ攻撃を阻止しなければならない。

昨年11月にはフランス・パリの劇場など6カ所で、ほぼ同時に銃乱射や爆発が起き、130人が死亡、300人以上が負傷した。

ベルギー捜査当局は、同時多発テロで唯一生き残ったとされるベルギー出身の容疑者を、ブリュッセル周辺で逮捕したばかりだ。

パリでのテロ後、当局は国内のテロリストの拠点を徹底的に捜査した。今回のテロはその報復との見方もあるが、捜査で計画自体を防げなかったのは残念である。

ブリュッセルはEU、北大西洋条約機構(NATO)が本部を置き、欧州委員会もある。欧州の中心部が狙われたことを深刻に受け止めねばならない。

もちろん、これは欧州だけの悲劇ではない。自由や民主主義といった普遍的価値観への挑戦だ。国際社会は、対テロでの結束を再確認すべきだ。

とりわけ、5月に伊勢志摩サミットを主催する議長国、日本の責任は大きい。テロとの戦いでの国際連携をいっそう強化する必要がある。

首脳が集まるサミット自体がテロリストの格好の標的となりかねない。国内でのテロ阻止に向けた態勢を重ねて点検すべきだ。

2019年には、ラグビーのワールドカップ、20年には東京五輪が控えている。対テロの警戒レベルを高める必要も出てこよう。

テロを未然に防ぐための情報収集が重要であることは言をまたない。各国情報機関と連携を強めるのはもとより、通信傍受の適用範囲拡大など自前のテロ情報収集力向上に向けて、できることは直ちに着手しなければならない。

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