会計操作問題に揺れる東芝が30日に臨時株主総会を開いた。11人の取締役が選任され、再生に向けた東芝の新しい体制が正式に発足した。
不祥事で損なわれた信頼を取り戻すのは容易なことではない。家電など主力事業の立て直しも急務である。東芝の新経営陣は再生の道筋を早くつけ、株主の信任に応えなければならない。
総会で室町正志社長は「株主の皆様の信頼を裏切り、市場を混乱に陥れたことを深くおわびします」と述べた。これに対して株主からは、不祥事や株価低迷への怒りが表明された。会計操作で隠されてきた東芝の収益力の低さを指摘するとともに、事業改革の必要性を訴える声も聞かれた。
同社の厳しい現状は、総会に先立つ14日に発表された2015年4?6月期決算に表れている。洗濯機やテレビなどの家電事業は赤字幅が約4倍に拡大し、収益源だった半導体は3割近く利益が減った。全体としても122億円の最終赤字となるなど稼ぐ力の衰えは誰の目にも明らかだ。
東芝の喫緊の課題は競争力を取りもどすことだ。しがらみのない社外取締役の知見を生かし、持続的に利益をあげられる事業とそうでない事業の見きわめを早急につけなければならない。そのうえで、伸ばす事業に資金と人材を集中的に投じることが必要となる。
日立製作所の事例は良いお手本になりうる。09年3月期の赤字決算を機に事業の絞り込みなどを進めた日立は、業績を急回復させて株主の評価を高めた。競争力の低下という実態を隠さず、直視するところから日立の復活は始まった。東芝に求められるものも、そうした姿勢である。
室町社長は総会で、社内通報制度の整備や監査部門の増員など再発防止策も説明した。日本の企業や株式市場全体への不信につながりかねない会計不祥事が、くりかえされるようなことがあってはならない。東芝の再生を託された取締役の責務は重い。
不祥事で損なわれた信頼を取り戻すのは容易なことではない。家電など主力事業の立て直しも急務である。東芝の新経営陣は再生の道筋を早くつけ、株主の信任に応えなければならない。
総会で室町正志社長は「株主の皆様の信頼を裏切り、市場を混乱に陥れたことを深くおわびします」と述べた。これに対して株主からは、不祥事や株価低迷への怒りが表明された。会計操作で隠されてきた東芝の収益力の低さを指摘するとともに、事業改革の必要性を訴える声も聞かれた。
同社の厳しい現状は、総会に先立つ14日に発表された2015年4?6月期決算に表れている。洗濯機やテレビなどの家電事業は赤字幅が約4倍に拡大し、収益源だった半導体は3割近く利益が減った。全体としても122億円の最終赤字となるなど稼ぐ力の衰えは誰の目にも明らかだ。
東芝の喫緊の課題は競争力を取りもどすことだ。しがらみのない社外取締役の知見を生かし、持続的に利益をあげられる事業とそうでない事業の見きわめを早急につけなければならない。そのうえで、伸ばす事業に資金と人材を集中的に投じることが必要となる。
日立製作所の事例は良いお手本になりうる。09年3月期の赤字決算を機に事業の絞り込みなどを進めた日立は、業績を急回復させて株主の評価を高めた。競争力の低下という実態を隠さず、直視するところから日立の復活は始まった。東芝に求められるものも、そうした姿勢である。
室町社長は総会で、社内通報制度の整備や監査部門の増員など再発防止策も説明した。日本の企業や株式市場全体への不信につながりかねない会計不祥事が、くりかえされるようなことがあってはならない。東芝の再生を託された取締役の責務は重い。