熊本県を中心に14日夜から続く地震活動が新たな段階に入り、震源と被災地域が拡大した。
16日未明、熊本地方を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が発生し震度6強の揺れが観測された。
平成7年の阪神大震災と同規模の直下型地震である。気象庁はこの地震が一連の熊本地震の「本震」であり、14日夜に最大震度7を観測した地震(M6・5)は「前震」だとする見解を示した。
本震の発生後、地震活動は熊本地方から北東側の阿蘇地方、さらに大分県に拡大し、震度6級を含む強い余震が続発した。地震活動との関連性は不明だが、阿蘇山でも小規模噴火が起きた。
木造家屋の倒壊のほか、マンションや市庁舎の損壊、大規模な土砂災害や橋の崩落など、広い範囲で大きな被害が相次いだ。
被害の拡大、広域化に伴い、死傷者と避難住民は大幅に増えている。持病の治療が受けられなくなった人や、体調を崩す高齢者らも増えていく。降雨などで二次災害の懸念も高まる。
安倍晋三首相は、応急対応にあたる自衛隊などの大幅増員を指示した。「命を守る」ことを第一に考え、総力を挙げて取り組むのは当然のことである。
過去に大規模災害を経験した地域などからの支援活動も始まっている。余震と避難生活の長期化も視野に、国民全体で被災地域の人たちを支えたい。
気象庁は14日夜以降、強い余震への警戒を呼びかけたが、地震の規模と範囲の拡大までは予測できなかった。結果論として「もっと強い警鐘を鳴らす必要があったのではないか」との思いが浮かぶかもしれない。
だが、不確かな情報は、住民の不安や応急対応の混乱の原因となりかねない。根拠のない段階で、規模の拡大や広域化の可能性に言及することを求めるのは、やはり無理があるだろう。
想定外だった東日本大震災をはじめ、自然災害は必ず「不測」の要素をはらんで発生する。それに対応するためには、防災の根幹を強くするしかない。
地震の場合は建造物の耐震化と防火であり、津波に対しては迷わず避難することである。土砂災害や河川氾濫などでは、地域ごとに予想される被害や災害歴を知ることが、そのための第一歩だ。
16日未明、熊本地方を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が発生し震度6強の揺れが観測された。
平成7年の阪神大震災と同規模の直下型地震である。気象庁はこの地震が一連の熊本地震の「本震」であり、14日夜に最大震度7を観測した地震(M6・5)は「前震」だとする見解を示した。
本震の発生後、地震活動は熊本地方から北東側の阿蘇地方、さらに大分県に拡大し、震度6級を含む強い余震が続発した。地震活動との関連性は不明だが、阿蘇山でも小規模噴火が起きた。
木造家屋の倒壊のほか、マンションや市庁舎の損壊、大規模な土砂災害や橋の崩落など、広い範囲で大きな被害が相次いだ。
被害の拡大、広域化に伴い、死傷者と避難住民は大幅に増えている。持病の治療が受けられなくなった人や、体調を崩す高齢者らも増えていく。降雨などで二次災害の懸念も高まる。
安倍晋三首相は、応急対応にあたる自衛隊などの大幅増員を指示した。「命を守る」ことを第一に考え、総力を挙げて取り組むのは当然のことである。
過去に大規模災害を経験した地域などからの支援活動も始まっている。余震と避難生活の長期化も視野に、国民全体で被災地域の人たちを支えたい。
気象庁は14日夜以降、強い余震への警戒を呼びかけたが、地震の規模と範囲の拡大までは予測できなかった。結果論として「もっと強い警鐘を鳴らす必要があったのではないか」との思いが浮かぶかもしれない。
だが、不確かな情報は、住民の不安や応急対応の混乱の原因となりかねない。根拠のない段階で、規模の拡大や広域化の可能性に言及することを求めるのは、やはり無理があるだろう。
想定外だった東日本大震災をはじめ、自然災害は必ず「不測」の要素をはらんで発生する。それに対応するためには、防災の根幹を強くするしかない。
地震の場合は建造物の耐震化と防火であり、津波に対しては迷わず避難することである。土砂災害や河川氾濫などでは、地域ごとに予想される被害や災害歴を知ることが、そのための第一歩だ。