一体、いつになったら悲劇はなくなるのか。米国・フロリダ州で起きた銃乱射事件だ。一向に再発防止ができない銃社会の病巣は深い。米国は抜本的な銃規制へ踏み出すときにきている。
オバマ大統領は事件を受けて「学校や職場、ナイトクラブで乱射する武器を、いとも簡単に手に入れることができることをあらためて想起させた」と指摘。「われわれはそんな国でありたいのかどうか、決めなければならない」と述べ、規制強化を訴えた。
こうした事件が起きるたびに、銃規制が叫ばれる一方で、多くの市民が自衛のために銃器購入へ走る光景が繰り返される。
米国の民間団体のまとめでは、米国で昨年起きた銃絡みの犯罪は約五万三千三百件に上り、死者は約一万三千四百人、負傷者は約二万七千人に達した。
頻発する乱射事件に、オバマ氏はかつて「感覚がどこかまひしてしまい、これが当たり前だと思い始めている」と危機感をあらわにしたことがある。
オバマ政権は二〇一三年、殺傷能力の高い銃器の販売を禁じることの法制化を目指したが、つぶされた。銃規制に反対する野党・共和党は現在、上下両院で過半数を占めている。
法整備をあきらめたオバマ氏は今年一月、大統領権限による規制強化策を発表した。ネット販売や展示即売会を活用する販売業者に免許取得を義務付けたりする内容だが、大統領権限では限界がある。
規制反対派が根拠とするのは、「国民が武器を保持する権利を侵してはならない」と明記された憲法だ。警察機構が整備されていなかった建国当初、自分の身は自分で守る必要があった。だが、今は時代が違う。
銃の問題は大統領選の争点にもなりそうだ。不動産王ドナルド・トランプ氏(共和党)は「銃所持は最も基本的な人権だ」と主張し、規制強化を求めるヒラリー・クリントン前国務長官(民主党)と対立する。
今回の事件では、社会的少数者への偏見や憎悪が生む「ヘイトクライム」とともに、容疑者は過激派組織「イスラム国」(IS)とのつながりが浮上している。
過激思想に感化され、また社会不満をため込んだ「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型のテロは、摘発が難しい。だからこそ、まずは銃が容易に入手できる現状を改める必要がある。
オバマ大統領は事件を受けて「学校や職場、ナイトクラブで乱射する武器を、いとも簡単に手に入れることができることをあらためて想起させた」と指摘。「われわれはそんな国でありたいのかどうか、決めなければならない」と述べ、規制強化を訴えた。
こうした事件が起きるたびに、銃規制が叫ばれる一方で、多くの市民が自衛のために銃器購入へ走る光景が繰り返される。
米国の民間団体のまとめでは、米国で昨年起きた銃絡みの犯罪は約五万三千三百件に上り、死者は約一万三千四百人、負傷者は約二万七千人に達した。
頻発する乱射事件に、オバマ氏はかつて「感覚がどこかまひしてしまい、これが当たり前だと思い始めている」と危機感をあらわにしたことがある。
オバマ政権は二〇一三年、殺傷能力の高い銃器の販売を禁じることの法制化を目指したが、つぶされた。銃規制に反対する野党・共和党は現在、上下両院で過半数を占めている。
法整備をあきらめたオバマ氏は今年一月、大統領権限による規制強化策を発表した。ネット販売や展示即売会を活用する販売業者に免許取得を義務付けたりする内容だが、大統領権限では限界がある。
規制反対派が根拠とするのは、「国民が武器を保持する権利を侵してはならない」と明記された憲法だ。警察機構が整備されていなかった建国当初、自分の身は自分で守る必要があった。だが、今は時代が違う。
銃の問題は大統領選の争点にもなりそうだ。不動産王ドナルド・トランプ氏(共和党)は「銃所持は最も基本的な人権だ」と主張し、規制強化を求めるヒラリー・クリントン前国務長官(民主党)と対立する。
今回の事件では、社会的少数者への偏見や憎悪が生む「ヘイトクライム」とともに、容疑者は過激派組織「イスラム国」(IS)とのつながりが浮上している。
過激思想に感化され、また社会不満をため込んだ「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型のテロは、摘発が難しい。だからこそ、まずは銃が容易に入手できる現状を改める必要がある。