巨大な連立与党の責任を自覚し、円滑な合意形成に努めて、政策課題を前進させてほしい。
公明党が党大会で、山口代表の5選を正式決定した。井上幹事長も再任された。野党に転落した2009年9月に誕生した「山口―井上」体制は、8年目に入る。
自民党は7月、議席の6割超を占める衆院に続き、参院でも27年ぶりに単独過半数を回復した。公明党も、参院選で自民党の支援を受け、選挙区選で過去最多の7人が当選した。両党の選挙協力は「自公融合」とまで呼ばれる。
山口氏はあいさつで、「安定政権のもと、山積する課題解決に結束して立ち向かう」と強調した。経済再生と社会保障の充実を最重要課題に掲げた。
来賓の安倍首相は、自公連立について「長年の風雪に耐えた。今や新しい次元だ」と指摘した。
首相は、戦後70年談話や消費税の軽減税率導入などで、公明党の意向を尊重してきた。平和や福祉を重視する公明党の主張を取り入れることは、自民党の政策の幅を広げる意味を持つ。
公明党も、集団的自衛権行使の限定容認や安全保障関連法の制定を巡り、自民党に譲歩した。山口執行部は、慎重論が強い地方組織や支持者を丁寧に説得した。
1999年以来の連立は、成熟期にあるとも言えよう。
気がかりなのは、山口氏が最近、憲法改正について、後ろ向きな発言を続けていることだ。
9条改正に慎重論を唱えた。改正項目を絞り込む目標時期の設定は、「不適切だ」と語った。
公明党は長年、平和主義など憲法の骨格は変えずに、新たな規定を追加する「加憲」の方針を掲げてきた。環境権、プライバシー権などの新設や、自衛隊の明記を検討する考え方である。
民進党の蓮舫代表は、岡田克也前代表とは違って、憲法論議に前向きな考えを示している。与野党の議論の土俵は整いつつある。
山口氏も党大会では、「現憲法を検証し、何を加憲の対象にすべきかの議論を深めていく」と述べ、議論は否定しなかった。
公明党は、加憲に関する党内論議の積み重ねを踏まえ、国会での議論に積極的に参加し、合意形成の一翼を担うべきだ。
党大会では、「大学の無償化の検討」を提言した。安倍政権で経済格差が拡大したと主張する民進、共産両党に対抗する狙いだろう。低所得者への支援は必要だが、バラマキを競ってはなるまい。
公明党が党大会で、山口代表の5選を正式決定した。井上幹事長も再任された。野党に転落した2009年9月に誕生した「山口―井上」体制は、8年目に入る。
自民党は7月、議席の6割超を占める衆院に続き、参院でも27年ぶりに単独過半数を回復した。公明党も、参院選で自民党の支援を受け、選挙区選で過去最多の7人が当選した。両党の選挙協力は「自公融合」とまで呼ばれる。
山口氏はあいさつで、「安定政権のもと、山積する課題解決に結束して立ち向かう」と強調した。経済再生と社会保障の充実を最重要課題に掲げた。
来賓の安倍首相は、自公連立について「長年の風雪に耐えた。今や新しい次元だ」と指摘した。
首相は、戦後70年談話や消費税の軽減税率導入などで、公明党の意向を尊重してきた。平和や福祉を重視する公明党の主張を取り入れることは、自民党の政策の幅を広げる意味を持つ。
公明党も、集団的自衛権行使の限定容認や安全保障関連法の制定を巡り、自民党に譲歩した。山口執行部は、慎重論が強い地方組織や支持者を丁寧に説得した。
1999年以来の連立は、成熟期にあるとも言えよう。
気がかりなのは、山口氏が最近、憲法改正について、後ろ向きな発言を続けていることだ。
9条改正に慎重論を唱えた。改正項目を絞り込む目標時期の設定は、「不適切だ」と語った。
公明党は長年、平和主義など憲法の骨格は変えずに、新たな規定を追加する「加憲」の方針を掲げてきた。環境権、プライバシー権などの新設や、自衛隊の明記を検討する考え方である。
民進党の蓮舫代表は、岡田克也前代表とは違って、憲法論議に前向きな考えを示している。与野党の議論の土俵は整いつつある。
山口氏も党大会では、「現憲法を検証し、何を加憲の対象にすべきかの議論を深めていく」と述べ、議論は否定しなかった。
公明党は、加憲に関する党内論議の積み重ねを踏まえ、国会での議論に積極的に参加し、合意形成の一翼を担うべきだ。
党大会では、「大学の無償化の検討」を提言した。安倍政権で経済格差が拡大したと主張する民進、共産両党に対抗する狙いだろう。低所得者への支援は必要だが、バラマキを競ってはなるまい。