法科大学院を中核とした法曹養成が狙い通りにいっていない。
司法試験合格率が低迷し、志願者が減っている。合格しても「弁護士余り」だといわれる。
これでは法曹を志す優秀な人材が離れるばかりだ。悪循環を絶つ改革が急務である。
法科大学院は統廃合などさらなる再編で、質を高める取り組みが欠かせない。
今年の司法試験で法科大学院修了者の合格率は20・68%だった。平成18年に始まった新試験制度で最低となった。
新制度では20校程度の法科大学院で鍛え、司法試験合格率は7?8割を想定していた。それが最大74校が乱立して低迷した。
すでに32校が廃止や募集停止予定だが、継続する所でも合格率数%という大学院が少なくない。
文部科学省は合格率の低い大学院への補助金削減を始めた。統廃合を促すための政策だが遅きに失している。このままでは教育の信頼を失い、自ら首を絞めるとの強い危機感で臨むべきだ。
来年度の補助金基礎額がゼロの最低評価となった大学院が7校ある。複数の大学が連携してカリキュラムや指導態勢の充実を図るなど思い切った手が必要だ。
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ただ合格率にとらわれるだけでは法曹養成改革の意味がない。幅広い人材を集め、対話型授業で識見ある人材を育てる当初の理念を忘れず進めてもらいたい。法学部卒以外の社会人を受け入れるコースを充実させる大学院が出てきていることは歓迎したい。
司法試験の内容についても、短時間で狭い法律知識を試すような問題に偏らず見直してほしい。
政府は司法試験合格者年3千人という当初目標の下方修正を余儀なくされ、今年は1500人以上の目標をかろうじて上回った。
弁護士会の中から、こうした目標を「大幅に減らすべきだ」との声があるが、疑問だ。
弁護士や裁判官などの地域的偏在は解決されていない。災害被災地など長期的、組織的な法律家の支援を必要としている場がある。高齢者や子供を守る法曹の支援の重要性は増している。企業や官公庁、国際舞台で法律知識と交渉力を持つ人材が望まれている。
弁護士会はこうした現状をみつめ、もっと活躍の場を広げ、法曹の仕事の意義や魅力アップの方策を考えてはどうか。
司法試験合格率が低迷し、志願者が減っている。合格しても「弁護士余り」だといわれる。
これでは法曹を志す優秀な人材が離れるばかりだ。悪循環を絶つ改革が急務である。
法科大学院は統廃合などさらなる再編で、質を高める取り組みが欠かせない。
今年の司法試験で法科大学院修了者の合格率は20・68%だった。平成18年に始まった新試験制度で最低となった。
新制度では20校程度の法科大学院で鍛え、司法試験合格率は7?8割を想定していた。それが最大74校が乱立して低迷した。
すでに32校が廃止や募集停止予定だが、継続する所でも合格率数%という大学院が少なくない。
文部科学省は合格率の低い大学院への補助金削減を始めた。統廃合を促すための政策だが遅きに失している。このままでは教育の信頼を失い、自ら首を絞めるとの強い危機感で臨むべきだ。
来年度の補助金基礎額がゼロの最低評価となった大学院が7校ある。複数の大学が連携してカリキュラムや指導態勢の充実を図るなど思い切った手が必要だ。
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ただ合格率にとらわれるだけでは法曹養成改革の意味がない。幅広い人材を集め、対話型授業で識見ある人材を育てる当初の理念を忘れず進めてもらいたい。法学部卒以外の社会人を受け入れるコースを充実させる大学院が出てきていることは歓迎したい。
司法試験の内容についても、短時間で狭い法律知識を試すような問題に偏らず見直してほしい。
政府は司法試験合格者年3千人という当初目標の下方修正を余儀なくされ、今年は1500人以上の目標をかろうじて上回った。
弁護士会の中から、こうした目標を「大幅に減らすべきだ」との声があるが、疑問だ。
弁護士や裁判官などの地域的偏在は解決されていない。災害被災地など長期的、組織的な法律家の支援を必要としている場がある。高齢者や子供を守る法曹の支援の重要性は増している。企業や官公庁、国際舞台で法律知識と交渉力を持つ人材が望まれている。
弁護士会はこうした現状をみつめ、もっと活躍の場を広げ、法曹の仕事の意義や魅力アップの方策を考えてはどうか。