高齢の運転者による悲惨な交通事故が続いている。JR宮崎駅前では10月28日、73歳の男性が運転する軽乗用車が歩道上を暴走し、2人がはねられて亡くなるなど、7人が死傷した。
31日には愛知県知立市で、76歳の男が運転するワゴン車が和菓子店に突っ込み、12人が重軽傷を負った。男は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕された。
宮崎の事故では男性が車道と歩道を間違えたとみられ、事故の2日前まで認知症の治療で入院していた。愛知県の事故で男は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」などと供述しているという。
このほかにも、高齢者の運転による高速道路の逆走や信号無視による事故などが後を絶たない。
宮崎の事故では運転者自身、外傷性くも膜下出血で病院に運ばれた。他者を死傷させる恐れがあると同時に自身も傷つく可能性がある。結果の重大性を考えれば、一定の持病を理由にハンドルを握らせない処置は必要だ。社会全体で彼らを守らなくてはならない。
今年6月に成立した改正道路交通法では、75歳以上に課している認知機能検査で「認知症の恐れがある」とされた場合には、医師の診断を義務づけ、認知症と診断されれば免許の取り消しや停止となるよう定めた。
しかし、認知症の発症時期は75歳以上に限らず、診断に至らないまでも認知機能の衰えにより、運転に必要な判断能力や運動神経、方向感覚が低下していることも考えられる。
年齢を問わない認知機能検査の実施や、事故を引き起こす可能性が高い患者について医師へ通報を義務づけるなど、事故防止に向けて実効性のある道交法改正の議論を続けてほしい。
本来、法に頼らなくても、自身で不安を覚えれば運転すべきではないのだが、車が社会とつながる唯一の交通手段である地域もあり、自身の運転能力を過信している高齢者もいる。
判断能力の低下が、運転そのものへの固執につながることもある。こうしたケースでは、家族の説得にも耳を傾けてもらえないことが多い。
各地の公安委員会や運転免許試験場で、説得の相談窓口を充実することや、マニュアルを整備する努力も必要ではないか。
31日には愛知県知立市で、76歳の男が運転するワゴン車が和菓子店に突っ込み、12人が重軽傷を負った。男は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕された。
宮崎の事故では男性が車道と歩道を間違えたとみられ、事故の2日前まで認知症の治療で入院していた。愛知県の事故で男は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」などと供述しているという。
このほかにも、高齢者の運転による高速道路の逆走や信号無視による事故などが後を絶たない。
宮崎の事故では運転者自身、外傷性くも膜下出血で病院に運ばれた。他者を死傷させる恐れがあると同時に自身も傷つく可能性がある。結果の重大性を考えれば、一定の持病を理由にハンドルを握らせない処置は必要だ。社会全体で彼らを守らなくてはならない。
今年6月に成立した改正道路交通法では、75歳以上に課している認知機能検査で「認知症の恐れがある」とされた場合には、医師の診断を義務づけ、認知症と診断されれば免許の取り消しや停止となるよう定めた。
しかし、認知症の発症時期は75歳以上に限らず、診断に至らないまでも認知機能の衰えにより、運転に必要な判断能力や運動神経、方向感覚が低下していることも考えられる。
年齢を問わない認知機能検査の実施や、事故を引き起こす可能性が高い患者について医師へ通報を義務づけるなど、事故防止に向けて実効性のある道交法改正の議論を続けてほしい。
本来、法に頼らなくても、自身で不安を覚えれば運転すべきではないのだが、車が社会とつながる唯一の交通手段である地域もあり、自身の運転能力を過信している高齢者もいる。
判断能力の低下が、運転そのものへの固執につながることもある。こうしたケースでは、家族の説得にも耳を傾けてもらえないことが多い。
各地の公安委員会や運転免許試験場で、説得の相談窓口を充実することや、マニュアルを整備する努力も必要ではないか。