2015年に日本を訪れた外国人が1973万人に達し、過去最高となった。円安効果もあり、2年間でほぼ倍増したことになる。ただし中国をはじめ近隣からの訪日客が大半を占めるなど課題も多い。為替などに左右されず安定的に観光客が来るような仕組みづくりが大事になる。
15年の訪日客を国・地域別にみると、中国が25%で初の首位となった。これに韓国、台湾、香港を足した上位4カ国・地域の占有率は72%となり、14年から6ポイント上昇した。東南アジアとインドは計11%、欧米とオーストラリアは計13%で、いずれも14年よりシェアを減らしている。
中国景気が減速するなか、中国人観光客の旺盛な消費意欲にも陰りが見え始めている。物流網の整備も進みネットで日本から直接、生活用品を購入する動きも広がりつつある。中国からの団体客と、その買い物だけをあてにした観光振興には危うさがある。
今後は東南アジアや欧米などからの観光客誘致にも一層、力を入れたい。こうした地域からの観光客は単純な買い物より日本ならではの体験に関心があり、繰り返し訪日してくれる可能性は高い。地方へ誘致する道も広がる。
観光地としての日本の弱みは外国語が通じにくいことだ。現在不足しているアジア系の言語の通訳ガイドを早く育成すべきだ。個人旅行者に要望が多い無料ネット接続サービスももっと広げたい。
富裕層がゆっくり滞在する旅への対応も力を入れるべき分野だ。戦後、大衆向け団体旅行で伸びた国内の観光産業には、こうした旅行のための施設や人材、運営ノウハウが不足しているからだ。
手ごろな価格で日本の生活を味わいたい外国人も多い。一般の人が持つ空き部屋や空き家に客を受け入れる「民泊」は大きな魅力になる。過度に規制せず、ふれあいの場を増やしたい。
こうしたきめ細かい工夫や規制緩和の積み重ねが、安定感のある訪日客の増加につながる。
15年の訪日客を国・地域別にみると、中国が25%で初の首位となった。これに韓国、台湾、香港を足した上位4カ国・地域の占有率は72%となり、14年から6ポイント上昇した。東南アジアとインドは計11%、欧米とオーストラリアは計13%で、いずれも14年よりシェアを減らしている。
中国景気が減速するなか、中国人観光客の旺盛な消費意欲にも陰りが見え始めている。物流網の整備も進みネットで日本から直接、生活用品を購入する動きも広がりつつある。中国からの団体客と、その買い物だけをあてにした観光振興には危うさがある。
今後は東南アジアや欧米などからの観光客誘致にも一層、力を入れたい。こうした地域からの観光客は単純な買い物より日本ならではの体験に関心があり、繰り返し訪日してくれる可能性は高い。地方へ誘致する道も広がる。
観光地としての日本の弱みは外国語が通じにくいことだ。現在不足しているアジア系の言語の通訳ガイドを早く育成すべきだ。個人旅行者に要望が多い無料ネット接続サービスももっと広げたい。
富裕層がゆっくり滞在する旅への対応も力を入れるべき分野だ。戦後、大衆向け団体旅行で伸びた国内の観光産業には、こうした旅行のための施設や人材、運営ノウハウが不足しているからだ。
手ごろな価格で日本の生活を味わいたい外国人も多い。一般の人が持つ空き部屋や空き家に客を受け入れる「民泊」は大きな魅力になる。過度に規制せず、ふれあいの場を増やしたい。
こうしたきめ細かい工夫や規制緩和の積み重ねが、安定感のある訪日客の増加につながる。