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[産経新聞] 【主張】小学生の暴力 我慢と思いやり教えたい (2015年09月29日)

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小学生の暴力行為が過去最多となった。とくに、低学年で増加が目立つことが心配だ。

暴力の芽を摘むしつけや指導ができているか。親も教師も日頃の教育を見直してもらいたい。

毎年、全国の小中高校などで把握された児童生徒の問題行動を文部科学省がまとめている。

同級生や教師を殴る、学校の物を壊すなどの暴力行為は昨年度、中学生が3万5千件余、高校生7千件余といずれも前年度より減少した。

しかし小学生は増え、2年連続で1万件を超えた。この8年間の加害児童の学年別増加率をみると、小6生の2倍に対し、小1生が5倍と急増している。

教育委員会からは、感情のコントロールがうまくできない児童が増え、ささいなことで暴力に訴える傾向が指摘された。暴れるのを制止した教師を蹴る、注意した通行人に暴力を振るうといった事例もあった。

どう防いでいくか。学校の対策とともに、親の責任が重いことを自覚してほしい。

家庭のしつけは何も難しいことではなく「普通に育てればいい」という専門家の指摘がある。ところが、厳しく罰すべきときに、子供の顔色を気にして、叱れない親が少なくない。「個性」を伸ばすことを勘違いして、わがままを許す放任になっていないか。

日常のあいさつの大切さを教え、家庭のルールを決めて、守らせる。「お手伝い」を通した小さな成功、失敗の体験も大事だ。我慢や思いやりの気持ちを体験的に育みたい。

学校との信頼関係も重要だ。

自分の子が悪いのに、叱った教師の悪口を親が言えば、子供の不信は教師に向かい、言うことを聞かなくなる。

もちろん、教師の指導力の向上も欠かせない。破れたガラス窓のような軽微な事象から早めに対処した方が治安悪化を防ぎやすいという。生徒指導にも、この「割れ窓理論」を応用したい。ルール違反には、その都度毅然(きぜん)と対応する、ぶれない指導が有効だ。

友人の発言を静かに聞くなどの基本的ルールを守らせて問題行動を減らした例もある。

何よりも授業が分かりやすく、話がおもしろい教師のクラスは落ち着いているといわれる。日々の指導が肝心だ。

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