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[産経新聞] 【主張】尖閣国有化3年 油断なく抑止力を高めよ (2015年09月29日)

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日本固有の領土である尖閣諸島を、中国は虎視眈々(たんたん)とねらっている。油断なく守りを固めなければならない。

政府が尖閣諸島を地権者から買い上げ、国有化してから3年余がたった。中国海警の公船は、尖閣周辺で日本の排他的経済水域(EEZ)を徘徊(はいかい)し、毎月延べ7?9隻により領海侵入を繰り返すことが常態化している。

海上保安庁の巡視船がその都度退去を求めているが、日本から領土を奪い取ろうという、中国の執拗(しつよう)な意志がうかがえる。

米中首脳会談でオバマ大統領が南シナ海での人工島の軍事拠点化をやめるよう求めたのに対し、習近平国家主席は応じなかった。

対日外交で軟化の気配があるともいわれる中国だが、海洋覇権の追求では米国の抗議さえはねつける。尖閣でも強硬な態度を変えないだろう。

海保は今年度中に、千トンから3千トン級の巡視船12隻による尖閣専従の体制をとる。尖閣を24時間監視するために航空機の更新、整備も進める。

ところが中国海警は、海保が持たない1万トン級の大型船を建造した。いずれ尖閣海域に投入してくる。中国の「お家芸」である衝突や体当たりを仕掛けてきたらどうなるか。新たな対応は急務だ。

軍事的にも圧力をかけることをためらわないのが中国である。

中国海軍は、尖閣の画像を背景に「たとえ辺境の地でも、彼らの占領を許さない」というナレーション付きの新兵募集の動画を公開した。「彼ら」とは日本を指している。好戦的な姿勢を隠そうともしていない。

2年前には尖閣上空を含む東シナ海に防空識別圏を一方的に設定し、先の軍事パレードでは独自開発した早期警戒機を飛行させ、空軍力の増強を誇示した。

安倍晋三政権は、安保関連法の成立を踏まえ、自衛隊の離島防衛力の強化を急ぐとともに、日米同盟の抑止力を高めてほしい。

また、自民党が以前掲げていた公務員の尖閣常駐はどこへいったのか。東シナ海での不測の事態を避けるため、日本が中国に呼びかけた「海空連絡メカニズム」も早期に実現したい。

中国は公船の尖閣侵入に慣れさせることで、日本人の警戒心を弱めようとしている。その手に乗ってはならない。

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