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[産経新聞] 【主張】南仏トラック突入 多様なテロ想定し備えを (2016年07月16日)

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フランス南部ニースで、革命記念日の花火見物の群衆に大型トラックが突っ込み、住民や観光客ら多数が死傷した。

トラックは約2キロにわたり、人々をなぎ倒しながら暴走した。運転していた男は、警官隊に射殺された。

市民を無差別に襲った残忍なテロである。いかなる理由があったとしても、断じて許すことはできない。

テロは警備の弱点や隙をついて行われる。今回はトラックが凶器となり、車内からフランスとチュニジアの二重国籍の男の身分証がみつかった。

単独犯なら事前のテロ情報もつかみにくい。捜査当局は、犯行の動機やイスラム過激派との関係解明などに全力を挙げてもらいたい。犯行を未然に防ぐ手立てがなかったかも検証すべきだ。

フランスでは昨年1月、風刺週刊紙などへの連続テロが起きた。11月の同時多発テロでは、パリ中心部の劇場や飲食店が襲撃され、130人が犠牲になった。

このとき発動された非常事態は3度延長され、国内で約1カ月にわたり開催されたサッカー欧州選手権では厳戒態勢が敷かれた。

だが、今回のように、休暇シーズンの催しなど警備が手薄なソフトターゲットが狙われた場合、テロを完全に防ぐのは困難だ。

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今月初めには、バングラデシュの首都ダッカで飲食店が襲撃され、日本人7人を含む人質20人と警察官2人が死亡した。東南アジアでも過激組織「イスラム国」(IS)系のテロが目立つ。

テロは中東、欧州から拡散し、アジアで確実に浸透しつつあるとみるべきだ。

2020年東京五輪・パラリンピックを控え、公共交通機関や競技場のみならず、想像力を働かせ夜の繁華街などさまざまな状況下でのテロに備える必要がある。

アジア欧州会議(ASEM)首脳会議出席のため、モンゴル訪問中の安倍晋三首相が「普遍的価値を共有するフランスが困難な中にあるときに強い連帯を表明する」と述べたのは適切だった。

テロ対策は、今回のASEMの主要テーマのひとつであり、テロ対策で国際連携が重要なことは言うまでもない。

アジアと欧州の協力をうたい、先進7カ国(G7)の枠組みの活用や各国との個別の連携で、テロ対策を前進させたい。

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